p.35 抽出テキスト
輸血療法は、患者の命を救う重要な治療法だが、感染症や免疫学的副反応などのリスクが伴う。これらのリスクを最小限に抑え、安全かつ適切に輸血を実施するためには、医療機関全体で一貫した管理体制を構築することが不可欠である。 1)輸血療法の実施に関する管理体制 輸血療法を実施するにあたり、以下の管理体制が求められる。 a)医療関係者の責務 医療関係者は、輸血用血液製剤が特定生物由来製品であることを認識し、感染リスクに注意を払う必要がある7)。患者や家族に対しては、輸血の必要性、使用する血液製剤の種類、輸血に伴うリスク、代替治療法(自己血輸血など)についてインフォームド・コンセント(説明と同意)( I-1-3)参照)を適切に行い、同意書を取得する必要がある4)。また、特定生物由来製品を使用した際は、使用者の氏名や住所、使用した製剤の製造番号などを20 年間記録・保管する義務がある4)。 b)適応の決定 輸血の目的は、血球成分や凝固因子を補充し、臨床症状の改善を図ることである。輸血はリスクを伴うため、効果がリスクを上回るか十分に考慮し、最小限の量を投与することが重要である。他の薬剤で治療が可能な場合は、輸血を極力避けるべきである。 2)輸血の管理体制の組織構造 輸血療法には複数の部署が関わるため、医療機関内で以下のような一貫した業務体制を構築することが推奨される。 a)輸血療法委員会の設置 輸血の適応、血液製剤の選択、検査、輸血医療事故の対策、自己血輸血の実施方法などを定期的に検討・検証する委員会を設置する。議事録を作成・保管し、院内に周知する。 b)輸血責任医師の任命