p.17 抽出テキスト
3) 乳児の輸血検査対応 a)生後1 年未満の児に対するABO 血液型判定の対応 いくつかの特別な配慮が必要である。生後1 年未満の児は、通常成人に認められる規則抗体 (IgM 型抗A/抗B) の産生がまだ不十分である。このため、ABO血液型検査において、赤血球の抗原を調べるオモテ検査と血漿(血清)中の抗体を調べるウラ検査の結果が一致しないことが頻繁に起こる14)。このような場合、生後1 年未満の児については、オモテ検査の結果だけで血液型を暫定的に判定してもよいとされている。ただし、生後1 歳未満の児においても異なる時点で採血された別検体での二重チェックを行うことが望ましい。また、輸血の可能性があり検体量が十分ある場合はウラ検査を実施することが望ましい。 b)生後4 か月未満の児に対する対応 輸血による不規則抗体を産生する能力が低いため、赤血球輸血が原因で不規則抗体が作られた例はほとんどない15)。このため、生後4 か月未満の児は、児本人の不規則抗体スクリーニングを省略することができる。この場合、母親の血漿(血清)を使って検査することが児の採血の負担軽減になるため望ましいとされている。母親から移行した抗体(IgG 型抗A/抗B、不規則抗体)が存在しないことを確認できている生後4 か月未満の児については、ABO 同型の赤血球製剤を使用する場合に限り、交差適合試験を省略できる場合がある。 4) 精度保証 輸血検査には、検査業務に係る責任者の選任、機器の保守管理、標準作業書の策定、作業日誌や管理台帳の作成、内部・外部精度管理(日本臨床衛生検査技師会、日本輸血・細胞治療学会等)、検査者の研修の実施が求められる16)。輸血検査では、管理された試薬、方法、手順のもとに正しい判定が行なわれなければならない。特に外部精度管理は全国的な規模で実施され、自施設の検査精度が明確になる。 5) ABO 血液型検査10) ABO 血液型検査では、オモテ検査(抗A・抗B)とウラ検査(A1・B 赤血球)を実施する。