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p.11 抽出テキスト

ガイドラインは、患者の自己決定権と医療従事者の生命救護義務を両立させることを目的とすると同時に、輸血治療が必要となる可能性がある患者について、法に従ってあくまでも輸血療法におけるインフォームド・コンセントの取得は不可欠としつつ、18 歳以上、15 歳以上18 歳未満、15 歳未満の場合に分けて、医療に関する判断能力と親権者の態度に応じた対応を整理していることが特徴的である。特に15 歳未満のケースにおいて医療ネグレクトに対する強い懸念を表明したものとなっている。

医療機関が対応方針を策定する上で、「絶対的無輸血」と「相対的無輸血」という概念がよく用いられる。絶対的無輸血はたとえ生命の危機に瀕しても、いかなる状況下でも輸血を拒否する患者の意思や信念を指し、相対的無輸血は、患者の意思を尊重し可能な限り無輸血治療に努めるが、緊急時など輸血以外に救命手段がないと判断された場合には、患者の同意が得られなくても輸血を実施するという考え方であり、現在多くの医療機関の基本的な方針となっていると思われる。

相対的無輸血の立場を取る医療機関の多くの具体的な対応は、輸血の可能性が予期される治療において、病院の「相対的無輸血」の方針を患者と家族に事前に、かつ具体的に説明するが、患者が意識不明で意思表示ができない状況下で、輸血が唯一の救命手段であると判断された場合は、同意が十分でなくても緊急避難的に輸血を実施するというものが多い。また時間的余裕があり、患者が絶対的無輸血を強く希望する場合、無輸血治療を専門とする他の医療機関への転院を推奨するなども多くの医療機関が定めていると思われる。

2 輸血用血液製剤の種類と保管方法

血液製剤とは、人の血液を原料として作られる医薬品のことを指し、輸血用血液製剤と血漿分画製剤に分けられる。輸血用血液製剤には、人の血液の全てを使用する全血製剤と、赤血球、血小板、血漿成分を各々分離して調製した成分製剤がある。現在は、主に成分製剤が使われており、全血製剤はほとんど用いられていない。一方、血漿分画製剤は、血漿成分から治療に必要な血漿タンパク質を種類ごとに分離・精製したものであり、アルブミン製剤、免疫グロブリン製剤、血液凝固因子製剤などがある。