p.378 抽出テキスト
2 現場の臨床疑問,現在までの研究と今後の検討 課題[CQ1] 1 アセトアミノフェンは,鎮痛薬が投与されていない,がん疼痛のある患者の痛み を緩和するか。 2 アセトアミノフェンの静注薬は,経口薬と比較して,がん疼痛のある患者の痛み を緩和するか。 3 アセトアミノフェンとNSAIDs の併用は,アセトアミノフェンの単独投与と比 較して,がん疼痛のある患者の痛みを緩和するか。鎮痛薬が投与されていないがん疼痛患者に対するアセトアミノフェン単剤の鎮痛効果,アセトアミノフェン注射剤の鎮痛効果,アセトアミノフェンとNSAIDs の併用を比較した研究はなかった。[CQ2] 1 NSAIDs は,鎮痛薬が投与されていない,がん疼痛のある患者の痛みを緩和する か。 2 ある一つのNSAIDs は,他のNSAIDs と比較して,がん疼痛のある患者の痛み をより緩和するか(本邦で頻用されているNSAIDs の種類により,がん疼痛のある患者の疼痛緩和作用に差があるか)。 3 NSAIDsは,オピオイドが投与されているがん疼痛のある患者の痛みをより緩和 するか(NSAIDs とオピオイドの併用は,オピオイドの単独投与と比較して,がん疼痛のある患者の痛みをより緩和するか)。鎮痛薬が投与されていないがん疼痛患者に対して,NSAIDs とプラセボを比較した研究があり(3 件),NSAIDs と他のNSAIDs を比較した研究(16 件,本邦でよく使用されているNSAIDs の比較研究:3 件)があり,NSAIDs とオピオイドを,がん疼痛のある患者に対して投与した研究があり(3 件),NSAIDs とオピオイドの併用と,オピオイドの単独投与を比較した研究があった(8 件)。[CQ3] 1. モルヒネは,軽度のがん疼痛の患者に対して投与してよいか。 2 本邦でも,モルヒネは,中等度から高度のがん疼痛のある患者に対して,第一選 択薬といえるか。 3 モルヒネは,ヒドロモルフォン,オキシコドン,フェンタニルと比較して,がん 疼痛のある患者に投与すると,有害作用が多いか。4. モルヒネは,腎機能障害のあるがん疼痛のある患者に投与しても安全か。軽度(VAS≦30 mm,NRS≦3 程度)のがん疼痛のある患者を対象に,経口モルヒネを投与し評価した研究はなかった。中等度から高度のがん疼痛のある患者を対象に,モルヒネを投与した研究は,モルヒネ製剤の比較研究(2 件),モルヒネと他のオピオイドの比較研究(5 件)があった。モルヒネを第一選択薬として,がん疼痛のある患者を対象に投与し,鎮痛効果と有害作用を評価した研究はなかった。モルヒネとヒドロモルフォン,オキシコドン,フェンタニルを比較し,がん疼痛のある患者の有害作用を評価した研究はあった(23 件),モルヒネを腎機能障害のあるがん疼痛のある患者に対して投与し,鎮痛作用と有害作用を評価したランダム化比III章推奨