p.373 抽出テキスト
1 ガイドライン委員会で討論したが,根拠が乏し く解説文に記載しなかったこと [CQ1]アセトアミノフェンとNSAIDs の併用については,鎮痛効果と有害作用を評価したエビデンスもなく,委員会の議論でも結論できなかった。[CQ2] NSAIDs の薬剤の選択は,鎮痛効果だけではなく,抗炎症作用を加味して薬剤を選択しているという意見があった。[CQ1,2]委員会では,軽度のがん疼痛のある患者に対して,アセトアミノフェンとNSAIDs のどちらを第一選択薬とするか,さらにどのNSAIDs を第一選択薬とするか合意には至らなかった。[CQ3]多数の研究で,鎮痛効果が確かめられており,使用されてきた歴史も長いことから,経口モルヒネは中等度から高度のがん疼痛の第一選択薬と位置づけられていたが(Wiffen 2016,Fallon 2018),他のガイドラインでは,強オピオイドの第一選択薬は,どの薬剤でもよいとされている(Caraceni 2012,NCCN 2019,WHO 2018)。委員会では,中等度から高度のがん疼痛のある患者に対して,メサドン以外のどの強オピオイドを第一選択薬とするか,鎮痛効果,有害作用,コスト,患者の嗜好から委員会で議論したが,どの薬剤を選択してもよいと結論した。強オピオイドの選択は,鎮痛効果以外の要素(医師の経験,所属する病院で使用可能な薬剤,周囲の病院,診療所,薬局を含むそれぞれの地域で使用可能な薬剤)が影響しているという意見があった。また,長期に処方してきた標準薬で処方し慣れている,併存する症状(呼吸困難のある患者)や,剤形(頭頸部がん患者では散剤を使用する,剤形が豊富),コスト(モルヒネ末は安価)の利点があるという意見があった。 【参考文献】1) Wiffen PJ, Wee B, Moore RA. Oral morphine for cancer pain. Cochrane Database Syst Rev 2016;4:CD003868 2) Caraceni A, Hanks G, Kaasa S, et al.;European Palliative Care Research Collaborative (EPCRC);European Association for Palliative Care(EAPC). Use of opioid analgesics in the treatment of cancer pain:evidence—based recommendations from the EAPC. Lancet Oncol 2012;13:e58—68 3) Fallon M, Giusti R, Aielli F, et al.;ESMO Guidelines Committee. Management of cancer pain in adult patients:ESMO Clinical Practice Guidelines. Ann Oncol 2018;29(Suppl 4):iv166—91 4) NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology(NCCN Guidelines®)Adult Cancer Pain Version2.2019―March 15, 2019 https://www.nccn.org/professionals/physician_gls/pdf/pain.pdf(2019 年11 月11 日閲覧) 4 Appendix