p.365 抽出テキスト
解 説本臨床疑問に関する臨床研究としては,ランダム化比較試験が23 件ある。オピオイドが投与されている患者に対して,経粘膜性フェンタニル(9 件),フェンタニルバッカル錠(6 件),フェンタニル経鼻スプレー(6 件),フェンタニルバッカル溶解シート(1 件),フェンタニル舌下スプレー(1 件)の研究があった*3。プラセボ(14 件),モルヒネ(6 件),異なる経粘膜性フェンタニルの比較(1 件),フェンタニルバッカル錠の投与量(定時投与量から換算と最小用量から投与)を比較した研究(1 件),経粘膜性フェンタニルの投与量を比較し鎮痛効果を評価した研究(1 件)があった。対照薬としてモルヒネが投与された研究はあるが,モルヒネとプラセボを比較した研究はなかった。ヒドロモルフォン,オキシコドンの速放性製剤が投与された研究はなかった。▋突出痛の緩和経粘膜性フェンタニルは,プラセボより効果がある(14 件),モルヒネ静注と比較し,15 分では鎮痛効果の差があるが(モルヒネ静注>フェンタニル)30 分では差なし(1 件),モルヒネ皮下注と同等(非劣性なし)(1 件),経口モルヒネ速放性製剤と比較し,30 分以内では差があるが(フェンタニル>経口モルヒネ)それ以降では差なし(1 件),経口モルヒネより鎮痛効果が良い(15~60 分後)(3 件)とする研究があった。対照薬として経口モルヒネ速放性製剤が投与された研究はあるが,経口ヒドロモルフォン,経口オキシコドンの速放性製剤とプラセボを比較した研究はなかった。▋QOL,有害作用QOL を評価した研究はなかった。有害作用が評価された研究(12 件)では,内訳(めまい,悪心,眠気,便秘)と *3:本邦で使用できない製剤も,薬理学的に使用できる製剤と同等と判断した。CQ がん疼痛の突出痛のある患者に対して,どの強オピオイドの投与が推奨されるか? がん疼痛の突出痛のある患者に対して,レスキュー薬*1 の投与を推奨する。 (強い推奨,中等度の根拠に基づく) がん疼痛の突出痛のある患者に対して,経粘膜性フェンタニル*2 の投与を条件付きで推奨する。 (弱い推奨,強い根拠に基づく)オピオイドが定時投与されており,経口投与のレスキュー薬を投与しても, 鎮痛効果が得られるまで時間を要し,患者が満足できる鎮痛ができないとき。 25 推 奨 *2:フェンタニル舌下錠またはバッカル錠 *1:経口モルヒネ・ヒドロモルフォン・オキシコドン速放性製剤,オピオイド注射剤のボーラス投与,オピオイド坐剤のいずれか1B 2A条 件