p.361 抽出テキスト
解 説本臨床疑問に関する臨床研究としては,ランダム化比較試験が3 件ある。すべて,オピオイドが投与されていない患者を対象としており(3 件),うち中等度の痛み(NRS 4~6)が対象(1 件),軽度から中等度の痛み(VAS 6 以下)が対象(1 件),軽度の痛み(NRS 0~3)が対象(1 件)の研究であった。▋がん疼痛の緩和すべての研究で,強オピオイドを投与した群は,弱オピオイド群と比較して,より鎮痛効果があった(3 件)。▋QOL,有害作用QOL が評価された研究(2 件)では,強オピオイド(モルヒネ)群が良かった(ESAS のwell being)(1 件),差がなかった(評価尺度不明,1 件)研究があった。有害作用が評価された研究(3 件)では,28 日以内の有害作用は同等(1 件),食欲不振,便秘は強オピオイドで多い(1 件),悪心は強オピオイドに多いが,嘔吐,便秘,精神症状に差はない(1 件)研究があった。▋バイアスリスクランダム化の方法の記載なし(2 件),割り付けの隠蔽(コンシールメント)の方法の記載なし(2 件),参加者・医療者・アウトカム測定者の盲検化なし(オープンラベル試験:3 件),アウトカム不完全報告〔脱落率5.4%:1 件,記載なし(ただし患者の死亡まで追跡されており試験期間が定められていない):2 件〕,早期試験中止(1 件)を認めた。 ** これまでの研究では,質の高いランダム化比較試験において,オピオイドが投与されていない中等度のがん疼痛のある患者に対して,強オピオイドを投与したほうが,弱オピオイドを投与するよりも鎮痛効果は強く,有害作用は同程度であった。 CQがん疼痛のある患者に対して,初回投与のオピオイドは,強オピオイドと弱オピオイドのどちらが推奨されるか? がん疼痛(中等度から高度)のある患者に対して,強オピオイドの投与を推奨する。 (強い推奨,中等度の根拠に基づく) がん疼痛(中等度)のある患者に対して,弱オピオイドの投与を条件付きで推奨する。 (弱い推奨,弱い根拠に基づく)患者の選好,医療者の判断,医療現場の状況で,強オピオイドが投与でき ないとき。 23 推 奨 1B 2C条 件