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p.359 抽出テキスト

いる),実行バイアス(介入,ケアの実行に系統的に差がある:腎機能障害のある患者には,オピオイドを慎重に投与する。有害作用を軽減するため投与量を控えめにする),検出バイアス(アウトカム測定に系統的な差がある:治療者自身がアウトカムを測定している)はすべての研究で認めた。その他のバイアスとして,製薬会社の資金での研究(オキシコドン:1 件)を認めた。

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これまでの研究では,モルヒネ,オキシコドンの代謝産物は腎機能障害により血中濃度が上昇する。その結果,オピオイドの有害作用と関連があると結論する研究が複数あった。一方で,フェンタニルは,代謝産物の血中濃度が上昇せず,フェンタニルとヒドロモルフォンは,有害作用が軽減した研究があった。しかし,質の高い研究はなく,がん疼痛のある,高度の腎機能障害の患者に対して,特定のオピオイドを推奨する根拠は不十分である。委員会では,過去のシステマティックレビュー(Sande 2017),腎機能障害のある患者に対するオピオイドの投与に関するガイドライン(King 2011, Caraceni 2012),本邦のガイドライン(薬剤性腎障害の診療ガイドライン作成委員会2016),各委員の臨床経験から表のように結論した。初回投与のオピオイドとして,がん疼痛のある軽度から中等度(eGFR 30~89 mL/min)の腎機能障害の患者に対しては,投与量を減量すれば,どのオピオイドを使用してもよい。がん疼痛のある重度(eGFR 30 mL/min 未満)の腎機能障害の患者に対しては,フェンタニル,ブプレノルフィンの注射剤の投与を推奨し,ヒドロモルフォン,オキシコドン,メサドン,トラマドールは,注意して投与することを条件に推奨することとした。さらに,腎機能障害のある患者に対しては,モルヒネ,コデインは可能なら投与は避け,投与する場合は短期間で少量から投与することを推奨することとした。以上より,がん疼痛(中等度から高度)のある高度の腎機能障害(eGFR 30 mL/ min 未満)患者に対して,初回投与のオピオイドとして,フェンタニル,ブプレノルフィンの注射剤を投与することを推奨する。

【引用文献】1) Kaiko RF, Foley KM, Grabinski PY, et al. Central nervous system excitatory effects of meperidine in cancer patients. Ann Neurol 1983; 13: 180‒5 2) Somogyi AA, Nation RL, Olweny C, et al. Plasma concentrations and renal clearance of mor-

phine, morphine‒3‒glucuronide and morphine‒6‒glucuronide in cancer patients receiving

表 腎機能障害のある患者に対するオピオイドeGFR (mL/min)推 奨注意して投与可能なら,投与は避ける** eGFR 30 未満フェンタニル,ブプレノルフィン*トラマドール,ヒドロモルフォン,オキシコドン,メサドンコデイン,モルヒネeGFR 30~89どのオピオイドを使用してもよい*フェンタニル,ブプレノルフィンの注射剤を少量から投与する**投与する場合は短期間で,少量から投与する