p.171 抽出テキスト
解 説本臨床疑問に関する臨床研究としては,ランダム化比較試験が2 件ある。オピオイドが投与されていない(1 件),強オピオイド(1 件)が投与されている患者が対象であった。▋がん疼痛の緩和オピオイドが投与されている患者に対しては,モルヒネ静注と経口を比較すると,静注したほうが早く鎮痛できた(1 件)。モルヒネ注射剤の投与方法(皮下,静注)の違いで鎮痛効果の差はなかった(1 件)。▋QOL,有害作用QOL を評価した研究はなかった。有害作用が評価された研究(2 件)では,用量調整の方法で有害作用(便秘,眠気,嘔吐)の差はなかった(2 件)。▋バイアスリスクランダム化の方法の記載なし(2 件),両群のベースラインの不均衡あり(1 件),割り付けの隠蔽(コンシールメント)の方法の記載なし(2 件),参加者・医療者・アウトカム測定者の盲検化なし(オープンラベル試験:2 件),アウトカム不完全報告(脱落率5~20%:2 件),その他のバイアス(単施設研究:2 件)を認めた。 ** これまでの研究では,オピオイドの用量調整の方法は,経口投与よりも非経口投与(静注)したほうが,早く鎮痛が得られた。また,有害作用の差は用量調整の方法で差はなかった。しかし,どちらの研究もモルヒネを間欠的に投与しており,持続投与を行っていないため,鎮痛効果や治療効果は臨床疑問に直接対応しているとはいえない。臨床疑問に対する,推奨を結論する根拠が不十分だが,委員会では,他のガイドラインの推奨と(Fallon 2018, NCCN 2019),各委員の臨床経験から,がん疼痛(高度)のある患者に対して,より早く鎮痛するために,オピオイドを持続静注または持続皮下注で少量から投与し,鎮痛が得られるまで徐々に増量する方法を推奨すると結論した。 【引用文献】1) Harris JT, Suresh Kumar K, Rajagopal MR. Intravenous morphine for rapid control of severe CQがん疼痛のある患者に対して,より早く鎮痛するために,オピオイドを持続静注または持続皮下注で投与することは推奨されるか? がん疼痛(高度)のある患者に対して,より早く鎮痛する目的で,オピオイドを持続静注または持続皮下注で開始することを推奨する。 (強い推奨,弱い根拠に基づく) 24 推 奨 1C