p.156 抽出テキスト
解 説本臨床疑問に関する臨床研究としては,ランダム化比較試験が11 件ある。オピオイド投与中の非がん患者を対象とした研究も,臨床疑問に対する非直接性は低いと判断し,対象研究として採用した。二次解析の研究(ナルデメジン1 件,ルビプロストン2 件)は除外した。すべて,痛みに対してオピオイドが投与され,便秘を伴う(オピオイド誘発性便秘,opioid‒induced constipation;OIC)がん患者(2 件),がん患者以外(8 件),患者背景が記載されていない(1 件)が対象の研究であった。ナルデメジンが投与された研究では,すでに下剤が投与されていて緩和できないOIC が対象であった。▋便秘の緩和ナルデメジンが投与された研究(5 件)では,すべて便秘症状が改善していた。ルビプロストンが投与された研究では(5 件)プラセボと比較して,便秘症状が改善した(3 件),センナと比較して,効果の差がなかった(1 件)研究があった。ルビプロストンはメサドンを投与中の患者には,便秘症状の改善がなかった(2 件)。▋QOL,有害作用QOL を評価した研究(7 件)では,ルビプロストン(4 件)では,試験開始時のみ評価(1 件),試験開始時と介入後の差はなかった(3 件)(PAC‒SYM, PAC QOL, 2 有害作用に関する臨床疑問 CQオピオイドが原因で,便秘のあるがん患者に対して,下剤,その他の便秘治療薬の投与は推奨されるか? オピオイドが原因で,便秘のあるがん患者に対して,オピオイドの投与と同時に,または投与後に,下剤*1 を定期投与することを推奨する。 (強い推奨,弱い根拠に基づく) オピオイドが原因で,便秘のあるがん患者に対して,末梢性μオピオイド受容体拮抗薬*2 の投与を条件付きで推奨する。 (弱い推奨,中等度の根拠に基づく)複数の下剤が投与されていても緩和されないとき。 オピオイドが原因で便秘のあるがん患者に対する,その他の便秘治療薬(ルビプロストンなど)の投与について,明確な推奨はできない。 17 推 奨 *1:下剤浸透圧性下剤,大腸刺激性下剤*2:末梢性μオピオイド受容体拮抗薬ナルデメジン 1C 2B条 件III章推奨