p.151 抽出テキスト
解 説本臨床疑問に関する臨床研究としては,ランダム化比較試験が3 件ある。強オピオイドが投与されているがん疼痛のある患者(1 件),モルヒネによって痛みが緩和されていない患者(2 件,そのうち1 件は神経障害性疼痛の患者のみ)を対象とした研究であった。ケタミンの全身投与(2 件),髄腔内投与(1 件)を,プラセボ(2 件),モルヒネと併用(1 件)と比較した研究であった。▋がん疼痛の緩和ケタミンの皮下注,静注による全身投与では,プラセボと比較して鎮痛効果の差は認められない(1 件),認めた(1 件)研究があった。髄腔内投与では,投与前と鎮痛効果の差を比較しているが,ケタミンの併用で,必要となるモルヒネの投与量を減らせたが,鎮痛効果の増強効果は測定されていなかった。▋QOL,有害作用QOL を評価した研究(1 件)では,ケタミンの髄腔内投与は,生活の制限,睡眠障害を改善した。有害作用が評価された研究(3 件)では,注射部位の刺激(ケタミンに多い),眠気,認知機能障害,めまい,悪心,幻覚,火照り,耳鳴り,排尿困難,嘔吐,便秘,かゆみが報告されていた。ケタミンが投与されている患者のほうが,有害作用の重症度が高かった(1 件)。ケタミンの投与量が多いほうが眠気が強かった(1 件)。▋バイアスリスクランダム化の方法の記載なし(2 件),割り付けの隠蔽(コンシールメント)の方法の記載なし(2 件),参加者と医療者の盲検化なし(2 件),アウトカム測定者の盲検化が内容から判断できない(2 件),ITT 解析非実施(2 件),アウトカム不完全報告〔脱落率20%>:1 件(60%)〕,その他のバイアス(単施設研究:1 件)を認めた。 ** これまでの研究で,ケタミンは,質の高いランダム化比較試験において,強オピオイドと鎮痛補助薬が投与されても痛みが緩和されていないがん疼痛に対する鎮痛 CQがん疼痛のある患者に対して,オピオイドに加えて,ケタミンの投与は推奨されるか? 強オピオイドや鎮痛補助薬が投与されても,適切な鎮痛効果が得られていない,難治性のがん疼痛のある患者に対して,オピオイドに加えて,ケタミンの併用を条件付きで推奨する。 (弱い推奨,弱い根拠に基づく)強オピオイドや鎮痛補助薬を増量しても,十分な鎮痛効果が得られない, または有害作用のため,強オピオイドや鎮痛補助薬を増量できないとき。 15 推 奨 2C条 件