p.136 抽出テキスト
解 説本臨床疑問に関する臨床研究としては,ランダム化比較試験が12 件ある。対象患者は,オピオイドが投与されていない患者(7 件),オピオイドが投与されている患者(2 件),記載なし(3 件)であった。コデインと,プラセボ(8 件),NSAIDs(1 件),他のオピオイド(2 件),投与法の異なるコデイン(1 件)を比較した研究があった。単回投与かつ観察期間が1 日未満(10 件),反復投与(2 件)の研究があった。▋がん疼痛の緩和プラセボと比較して,鎮痛効果の差がない(1 件),鎮痛効果が大きい(7 件),オピオイドと比較して,鎮痛効果が小さい(モルヒネ,オキシコドン:1 件),差がない(トラマドール,hydrocodone:1 件),NSAIDs と比較して差がない(1 件)という結果であった。▋QOL,有害作用QOL を評価した研究はなかった。有害作用が評価された研究(7 件)では,有害作用の内訳(悪心・嘔吐,便秘,頭痛,口内乾燥,眠気)の頻度のみ記載されており,対照群と比較できなかった。▋バイアスリスクランダム化の方法の記載なし(10 件),割り付けの隠蔽(コンシールメント)の方法の記載なし(12 件),参加者と医療者の盲検化の記載なし(3 件),アウトカム測定者の盲検化の記載なしまたは内容から判断できない(3 件),ITT 解析非実施(6 件),アウトカム不完全報告(脱落症例のアウトカムが不明確または記載されていない:3 件,脱落率5~20%:6 件),その他のバイアス(単施設研究:7 件,製薬会社の資金:2 件,製薬会社からの薬剤の提供:4 件)を認めた。 ** これまでの研究では,コデインは単回投与されており,鎮痛効果と有害作用は十分に評価できない。また,単回投与の研究を本ガイドラインでは採用せざるを得なかったため,鎮痛効果や治療効果は臨床疑問に直接対応しているとはいえない。しかし,コデインは,がん疼痛に以前から広く使用されており安価であること(Straube 2018),本邦でも日常の診療でがん疼痛のある患者に対して,鎮痛薬として投与していることから,委員会では,がん疼痛のある患者に対して,中等度の痛III章推奨 CQがん疼痛のある患者に対して,コデインの投与は推奨されるか? がん疼痛(中等度)のある患者に対して,コデインの投与を条件付きで推奨する。 (弱い推奨,弱い根拠に基づく)患者の選好,医療者の判断,医療現場の状況で,強オピオイドが投与でき ないとき。 8 推 奨 2C条 件