p.134 抽出テキスト
解 説本臨床疑問に関する臨床研究としては,ランダム化比較試験が3 件ある。オピオイドが投与されていない患者(1 件),オピオイドが投与されている患者を含む(2件)研究があった。▋がん疼痛の緩和すべての研究で,異なるオピオイドとの鎮痛効果の差は認められなかった。プラセボと比較した研究(1 件:タペンタドールとモルヒネを比較し,さらにタペンタドールとプラセボを比較)でも,鎮痛効果の差は認められなかった(非劣性試験)。▋QOL,有害作用QOL を評価した研究はなかった。有害作用が評価された研究は3 件あった。タペンタドールと他のオピオイドが同程度(2 件),タペンタドールがモルヒネより少ない(1 件)研究があった。便秘,悪心はタペンタドールがオキシコドンに比べて少なく,嘔吐は同等であった。便秘,嘔吐はタペンタドールがモルヒネに比べて少なかった。胃腸症状,神経系症状はタペンタドールがモルヒネに比べて少なかった。▋バイアスリスクランダム化の方法の記載なし(1 件),割り付けの隠蔽(コンシールメント)の方法の記載なし(1 件),参加者と医療者の盲検化なし(1 件),アウトカム測定者の盲検化が内容から判断できない(1 件),アウトカム不完全報告〔2 件:脱落率32% (試験期間4 週間),43%(試験期間8 週間)〕を認めた。すべての研究は製薬会社の資金で行われ,資金提供した製薬会社の社員が著者であった(3 件:筆頭著者以外全員1 件,全員2 件)。 ** これまでの研究では,オピオイド間の換算比を適切に設定すれば,タペンタドールは他の強オピオイドと比較して,鎮痛効果と有害作用は同程度であった。以上より,がん疼痛(中等度から高度)のある患者に対して,タペンタドールの投与を推奨する。 【引用文献】1) Imanaka K, Tominaga Y, Etropolski M, et al. Efficacy and safety of oral tapentadol extended release in Japanese and Korean patients with moderate to severe, chronic malignant tumor‒ related pain. Curr Med Res Opin 2013;29:1399‒409 III章推奨 CQがん疼痛のある患者に対して,タペンタドールの投与は推奨されるか? がん疼痛(中等度から高度)のある患者に対して,タペンタドールの投与を推奨する。 (強い推奨,中等度の根拠に基づく) 7 推 奨 1B