p.126 抽出テキスト
解 説本臨床疑問に関する臨床研究としては,ランダム化比較試験が8 件ある。ヒドロモルフォンとプラセボを比較した研究はなかった。対象患者にオピオイドが投与されていない(2 件),オピオイドを投与中(3 件),オピオイドを投与しているか記載がない研究(1 件)で,すべて他のオピオイドと鎮痛効果を比較した研究であった。痛みの程度を限定しない研究(2 件),中等度から高度の痛みに限定した研究(2 件)があった。また,有害作用を主調査項目として評価した研究(2 件)があった。▋がん疼痛の緩和すべての研究で,異なるオピオイドとの鎮痛効果の差は認められなかった。▋QOL,有害作用QOL を評価した研究はなかった。有害作用が評価された研究(7 件)では,有害作用の内訳のみ記載されており,比較できない(4 件),オキシコドンと比較し,眠気,悪心が同等であった(1 件),フェンタニル貼付剤,ブプレノルフィン貼付剤と比較し,悪心・嘔吐の程度は変わらず,便秘が少ない(1 件),モルヒネと比較し,便秘,悪心・嘔吐が少ない(1 件)研究があった。▋バイアスリスクランダム化の方法の記載なし(2 件),割り付けの隠蔽(コンシールメント)の方法の記載なし(4 件),参加者と医療者の盲検化なし(オープンラベル試験:2 件),アウトカム測定者の盲検化なし(オープンラベル試験:2 件),ITT 解析非実施(3件),アウトカム不完全報告(脱落率5~20%:3 件,20%>:5 件),その他のバイアス(製薬会社の資金:6 件,単施設研究:2 件)を認めた。 ** これまでの研究では,オピオイド間の換算比を適切に設定すれば,ヒドロモルフォンと他の強オピオイドの鎮痛効果と有害作用は同程度であった。以上より,がん疼痛(中等度から高度)のある患者に対して,ヒドロモルフォンの投与を推奨する。 【引用文献】1) Inoue S, Saito Y, Tsuneto S, et al. A randomized, double‒blind, non‒inferiority study of hydro- morphone hydrochloride immediate‒release tablets versus oxycodone hydrochloride immediate‒release powder for cancer pain:efficacy and safety in Japanese cancer patients. Jpn J III章推奨 CQがん疼痛のある患者に対して,ヒドロモルフォンの投与は推奨されるか? がん疼痛(中等度から高度)のある患者に対して,ヒドロモルフォンの投与を推奨する。 (強い推奨,中等度の根拠に基づく) 4 推 奨 1B