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p.237 抽出テキスト

III章推奨

消化管閉塞による痛みのあるがん患者に対して、コルチコステロイドは、プラセボに比較して痛みを緩和するか?

消化管閉塞による痛みのある患者に対して、コルチコステロイドは、痛みを緩和する可能性がある。消化管閉塞による痛みのある患者に対して、コルチコステロイドを使用する。2B (弱い推奨、低いエビデンスレベル)

解 説本臨床疑問に関連する臨床研究として、1件の系統的レビューがある。Feuerら4)の系統的レビューでは、がんによる消化管閉塞のある患者を対象に、コルチコステロイドとプラセボの効果を比較した2件の無作為化比較試験を検討した。対象患者は97例であり、消化管閉塞の再開通(嘔吐や蠕動痛などの症状の消失、軽食の摂取が可能、排ガスあるいは蠕動の存在と定義)のNNTは6であり、コルチコステロイドは消化管閉塞の症状緩和に有用な可能性が示唆されると結論している。これらの研究は直接、腹痛に対する効果を評価したものではないものの、再開通の結果として腹痛の改善が得られる可能性がある。Hardyら5)による、がんによる消化管閉塞患者39 例を対象に、デキサメタゾン16mg/日とプラセボの効果を比較した無作為化比較試験では、デキサメタゾン群で消化管閉塞の再開通が多く認められる傾向であった(62% vs 57%)。副作用は1例が胃腸障害で中断、数例で肛門周囲の不快感が生じたが、重篤な副作用はなかった。Lavalら6)による、がんによる消化管閉塞患者58 例を対象に、メチルプレドニゾロン40mg/日 静脈内投与(または240mg 経口投与)とプラセボの効果を比較した無作為化比較試験では、メチルプレドニゾロン群で消化管閉塞の再開通が多く認められた(59% vs 33%, p=0.080)。副作用はなかった。

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以上より、消化管閉塞による痛みのある患者に対して、コルチコステロイドは、痛みを緩和する可能性があると考えられる。したがって、本ガイドラインでは、上記の知見と専門家の合意により、消化管閉塞による痛みのある患者に対して、コルチコステロイドを投与することを推奨する。

既存のガイドラインとの整合性EAPCの消化管閉塞についてのガイドラインでは、悪性腫瘍による消化管閉塞に伴う持続痛および蠕動痛は、WHO方式がん疼痛治療法に従ったオピオイド投与、消化管分泌抑制薬を投与し、オピオイド投与により残存する蠕動痛に対してはブチルスコポラミン臭化物などの抗コリン作用薬を推奨している。コルチコステロイドの有用性については、まだ結論がでておらず、痛みに限定する記載ではないが、制吐効果および腫瘍や神経周囲の浮腫を改善することで症状緩和に有用な可能性があるとしている。

(久永貴之、志真泰夫)

臨床疑問65

推 奨