p.231 抽出テキスト
III章推奨 悪性腸腰筋症候群による痛みのあるがん患者に対して、行うべき評価は何か? 痛みの原因の評価と痛みの評価を行う(P24,II-2 痛みの包括的評価の項参照)。 1)痛みの原因を身体所見や画像検査から評価する痛みの原因として、がんによる痛み以外の可能性も含めて評価する。悪性腸腰筋症候群による痛みであれば、身体所見として、患側の第1 〜4 腰椎神経領域の神経障害、腸腰筋の攣縮を示唆する股関節屈曲固定がみられることが多い。画像検査では、患側腸腰筋内の悪性腫瘍の存在がみられる。必要に応じて、外科治療、化学療法、放射線治療の適応について検討する。腸腰筋症候群を示すがん以外の原因として腸腰筋膿瘍などを除外する。 2)痛みの評価を行う痛みの日常生活への影響、痛みのパターン(持続痛か突出痛か)、痛みの強さ、痛みの部位、痛みの経過、痛みの性状、痛みの増悪因子と軽快因子、現在行っている治療の反応、および、レスキュー・ドーズの効果と副作用について評価する。特に痛みが持続痛なのか突出痛なのか評価し、神経障害性疼痛の要素があるのかを評価する。さらに増悪因子・軽快因子を評価する。悪性腸腰筋症候群では、股関節を伸展すると痛みが増強し、屈曲すると痛みが軽快することが多いため、痛みの増強する姿勢を避けるようにする(P16,II-1-13神経障害性疼痛の項参照)。 臨床疑問58 推 奨 悪性腸腰筋症候群による痛みのあるがん患者に対して、非オピオイド鎮痛薬・オピオイドによる疼痛治療は、プラセボに比較して痛みを緩和するか? 悪性腸腰筋症候群による痛みのあるがん患者に対して、非オピオイド鎮痛薬・オピオイドによる疼痛治療は、痛みを緩和する。悪性腸腰筋症候群による痛みのあるがん患者に対して、非オピオイド鎮痛薬・オピオイドによる疼痛治療を行う。1B (強い推奨、低いエビデンスレベル) 本臨床疑問に関する臨床研究としては、無作為化比較試験や前後比較研究はなく、少数の後ろ向き研究や症例報告しかない。Agarらによる症例報告およびレビューでは、WHO方式がん疼痛治療法に基づいた非オピオイド鎮痛薬・オピオイドの投与に加えて、抗けいれん薬(ガバペンチン、バルプロ酸ナトリ 解 説 臨床疑問59 推 奨 解 説