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p.228 抽出テキスト

直腸がんなどによる会陰部の痛みのある患者に対して、神経ブロックは、薬物療法に比較して痛みを緩和するか?

直腸がんなどによる会陰部の痛みのある患者に対して、サドルブロック、上下腹神経叢ブロックなどの神経ブロックは、痛みを緩和する。直腸がんなどによる会陰部の痛みのある患者に対して、サドルブロック、上下腹神経叢ブロックなどの神経ブロックを行う。2C (弱い推奨、とても低いエビデンスレベル)

解 説1)サドルブロックサドルブロックは、座位にてくも膜下腔に高比重のフェノールグリセリンを注入することで、第4、5 仙髄神経や尾骨神経を遮断し会陰部の鎮痛効果を得る神経ブロックである。合併症として、膀胱直腸障害が起こる可能性が高い。本臨床疑問に関する臨床研究としては、無作為化比較試験や前後比較研究はないが、複数の症例報告や記述的研究がある(Slatkinら、杉ら)。

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以上より、質の高いエビデンスは存在しないが、臨床経験から、直腸がんなどによる会陰部の痛みに対して、サドルブロックは、膀胱直腸障害を生じうるが、痛みを緩和すると考えられる。したがって、本ガイドラインでは、直腸がんなどによる会陰部の痛みに対して、尿路変更・人工肛門などすでに排尿・排便機能が廃絶している場合に、サドルブロックが有効な場合があるので専門家に相談することを推奨する。人工肛門があるが尿路変更がなされていない場合には、患者が尿路変更になること(導尿など)を了解すれば、選択できる場合がある。

2)上下腹神経叢ブロック上下腹神経叢ブロック*は、骨盤内臓器の交感神経由来の痛みに対する疼痛治療法である。

臨床疑問57

推 奨

解 説本臨床疑問に関連した臨床研究として、直腸がんなどによる会陰部の痛みに限定して非オピオイド鎮痛薬・オピオイドによる疼痛治療の効果を比較した無作為化比較試験、前後比較研究はない。直腸がんなどによる会陰部の痛みを含むがん疼痛に対するWHO方式がん疼痛治療法の有用性を示した複数の観察研究がある(P31,II-3 WHO方式がん疼痛治療法の項参照)。

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以上より、直腸がんなどによる会陰部の痛みのある患者に対して、非オピオイド鎮痛薬・オピオイドによる疼痛治療は、痛みを緩和すると考えられる。したがって、本ガイドラインでは、直腸がんなどによる会陰部の痛みのある患者に対して、非オピオイド鎮痛薬・オピオイドによる疼痛治療を行うことを推奨する。

*:上下腹神経叢ブロック神経ブロックの一つ。骨盤内臓器由来の痛みに対する治療法。くも膜下フェノールブロックに比べて、会陰部知覚脱出や排泄障害などが少ない。P90参照。