p.217 抽出テキスト
III章推奨 ** 以上より、骨転移による痛みのあるがん患者において、ビスホスホネートは、投与後4〜12週では中等度の鎮痛効果があるが、投与後4 週以内に鎮痛効果があるという根拠はない。また、これらは現在痛みのある患者に対しての鎮痛効果の目的で用いられたものではない。したがって、本ガイドラインでは、骨転移による痛みに対して、予測される生命予後を検討したうえで鎮痛を目的としてビスホスホネートを投与することを推奨する。すなわち、投与後4〜12 週の鎮痛効果を期待する場合には投与を行う。一方、投与後4 週以内の鎮痛効果に関するエビデンスは確立されていないため、「現在の痛み」を緩和するためにはビスホスホネート以外の疼痛治療を十分に行うことが必要である。 NCCNのガイドラインでは、NSAIDsは脊髄圧迫のない骨転移による痛みに対して推奨されており、ビスホスホネート、コルチコステロイドは多発性骨転移による痛みに対して推奨されている。ACCPのガイドラインでは、骨転移による痛みのある肺がん患者に対して、放射線治療とビスホスホネートの併用を推奨している。EAPCのガイドラインでは、十分なエビデンスはないとしながらも骨転移による痛みに対してNSAIDsおよびコルチコステロイドの投与を推奨している。 (大坂 巌) 既存のガイドラインとの整合性 【文 献】 1)Petcu EB, Schug SA, Smith H. Bisphosphonates for the relief of pain secondary to bone metastases. Cochrane Database Syst Rev 2002; Issue 2: CD002068 【参考文献】 2)Eugen B, Stephan A. Clinical evaluation of onset of analgesia using intravenous pamidronate in metastatic bone pain. J Pain Symptom Manage 2002; 24: 281-4 3)Yuen KY, Shelley M, Sze WM, et al. Bisphosphonates for advanced prostate cancer. Cochrane Database Syst Rev 2006; Issue 4: CD006250 4)Pavlakis N, Schmidt RL, Stockler MR. Bisphosphonates for breast cancer. Cochrane Database Syst Rev 2005; Issue 3: CD003474 5)Djulbegovic B, Wheatley K, Ross J, et al. Bisphosphonates in multiple myeloma. Cochrane Database Syst Rev 2002; Issue 4: CD003188