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p.215 抽出テキスト

III章推奨

骨転移による痛みのあるがん患者に対して、行うべき評価は何か?

痛みの原因の評価と痛みの評価を行う(P24,II-2 痛みの包括的評価の項参照)。

1)痛みの原因を身体所見や画像検査から評価する痛みの原因として、がんによる痛み以外の可能性も含めて評価する。骨転移であれば、病変の部位、進展範囲(周囲の神経、血管、筋肉との関係)、単発性か多発性かなどの評価が必要である。画像検査は単純X 線写真が基本となるが、脊椎であればMRI、骨盤骨であればCTを追加することでより詳細な評価が期待できる。さらに、骨シンチグラフィを加えることにより正確な診断が可能となり、全身の多発転移の有無も確認できる。骨転移による骨折は患者の身体機能とQOLを著しく障害することになるため、骨折あるいは切迫骨折の有無を評価する。特に、荷重のかかる大腿骨、臼蓋、脛骨、椎体、上腕骨などへの転移の場合には、外科治療も検討する。骨転移を正確に評価することは、非薬物療法である放射線治療、放射性同位元素(Sr)、経皮的椎体形成術、神経ブロック*1などの適応を検討する際に必要である(P83,II-8 薬物療法以外の疼痛治療法の項参照)。

2)痛みの評価を行う痛みの日常生活への影響、痛みのパターン(持続痛か突出痛*2 か)、痛みの強さ、痛みの部位、痛みの経過、痛みの性状(神経障害性疼痛の混在など)、痛みの増悪因子と軽快因子、現在行っている治療の反応、および、レスキュー・ドーズの効果と副作用について評価する。特に痛みが持続痛なのか突出痛なのか評価し、神経障害性疼痛の要素があるかを評価する。さらに増悪因子・軽快因子を評価する。これにより生活の仕方、コルセットや杖などの補助具を使うなど、患者の苦痛を増悪させる要因を避け、軽快させる要因を生活に取り入れることができる。

臨床疑問46

推 奨

骨転移による痛みのあるがん患者に対して、非オピオイド鎮痛薬・オピオイドによる疼痛治療は、プラセボに比較して痛みを緩和するか?

骨転移による痛みのあるがん患者に対して、非オピオイド鎮痛薬・オピオイドによる疼痛治療は、プラセボに比較して痛みを緩和する。骨転移による痛みのあるがん患者に対して、非オピオイド鎮痛薬・オピオイドによる疼痛治療を行う。1B (強い推奨、低いエビデンスレベル)

臨床疑問47

推 奨

解 説

*1:神経ブロック局所麻酔薬や神経破壊薬、熱などにより神経の伝達機能を一時的・永久的に遮断することによって、または、オピオイドなど鎮痛薬の硬膜外腔・クモ膜下腔への投与によって鎮痛効果を得る手段。(注釈)狭義の神経ブロックは一般的に前者をさし、後者とあわせたものを麻酔科的鎮痛(anesthesiological procedure)と呼ぶことがあるが、本ガイドラインでは、簡便に、両方を合わせて「神経ブロック」と呼ぶ。

*2:突出痛(breakthrough pain)持続痛の有無や程度、鎮痛薬治療の有無にかかわらず発生する一過性の痛みの増強。P18 参照。