p.208 抽出テキスト
後1〜5日にガバペンチン群で高かったが(3日目、57% vs 31%)、10日目には差はなくなった(62% vs 64%)。副作用として、眠気(23% vs 9.7%)、立ちくらみ(8.8% vs 0%)、嘔気・嘔吐(6.3% vs 0%)が多かった。治療中断による症状はいずれも約7%に認められ、鎮静、呼吸抑制、血圧低下などであった。ガバペンチンは、オピオイド単独治療と比較してある期間に限って、がんによる神経障害性疼痛をより緩和した。Keskinboraら7)による無作為化比較試験では、オピオイド治療中のがんによる神経障害性疼痛のある患者75 例を対象に、ガバペンチン平均629mg/日(4日目)〜1,287mg/日(13日目)とオピオイドとの併用治療と、オピオイド単独治療の13日間の鎮痛効果を比較したところ、治療4日、13日後にガバペンチン群により強い鎮痛効果が認められた(ベースラインと比較したNRSの変化:灼熱痛:−7.4 vs −5.8,p=0.018;電撃痛:−6.8 vs −4.7, p=0.009)。ガバペンチン併用での副作用は、眠気(13% vs 6.2%)が多かったが、嘔気は少なく(3.2% vs 19%)、めまい(13% vs 13%)は同等であった。呼吸抑制による治療中断はガバペンチン併用群で1例認めた。この他に、前後比較研究では、オピオイド治療中のがんによる神経障害性疼痛患者22例を対象に、ガバペンチン1,004mg(600 〜1,800mg)の併用を行ったところ、NRS が6.4から3.2 に低下した報告(Caraceniら,19998))や、がんによる神経障害性疼痛に対して300 〜1,800mg のガバペンチンとオピオイド併用が45%に有効(痛みの程度がBrief Pain Inventoryで33%以上低下)であったという報告(Rossら9))などがある。(2)ガバペンチン以外の抗けいれん薬ガバペンチン以外の抗けいれん薬については、非がん患者での鎮痛効果は中等度であることが示されている。非がん患者の神経障害性疼痛を主としたFinnerup10)の系統的レビューでは、50%以上の痛みの改善を有効とし定義した場合のNNTはカルバマゼピン2.0、フェニトイン2.1、バルプロ酸2.8などであり、抗けいれん薬全体で4.2であった。副作用による治療中断のNNHは11である(P66,II-4-3 鎮痛補助薬の項参照)。一方、がん患者では質の高い臨床研究はほとんどなく、フェニトイン、バルプロ酸、クロナゼパムについて少数の研究があるにすぎない。Yajnikら11)の無作為化比較試験では、がん疼痛患者75 例を対象とし、ブプレノルフィン単独0.4mg/日、フェニトイン単独200mg/日、ブプレノルフィン0.2mg/日とフェニトイン100mg/日併用を比較したところ、50%以上の程度で痛みが改善した比率に差はなかった(84% vs 72% vs 88%)。フェニトイン単独群での副作用は頭痛とめまいがそれぞれ1例に、併用群では副作用は観察されなかった。Hardyら12)による無作為化比較試験では、WHO方式がん疼痛治療法でオピオイドを使用しても痛みの改善がみられない神経障害性疼痛患者25 例を対象に、バルプロ酸400 〜1200mg/日併用の効果をみたところ15日後の有効率は、1Brief Pain Inventory(BPI)による痛みを4 段階に分け、「痛みなし」、「少し痛い(1〜4)」、「やや痛い(5〜7)」、「ひどく痛い(8〜10)」に分類し1段階以上軽快したのは56%、2NRSで平均の痛みが絶対値1以上低下したのは67%、3痛みの低下の程度を%で問い50%以上の低下がみられたのは28%だった。1例が振戦のために中止、5 例が病状の悪化のために中止した。副作用は眠気(8日目30%、15日目47%)が最も多く、次いで、ふらつき(8日目10%、15日目41%)、食欲不振(8日目25%、15日目25%)であった。Hugel13)らによる前後比較研究では、オピオイドにより鎮痛効果が十分でない神経障害性疼痛のがん患者10 例を対象に、クロナゼパム0.5 〜2mg(5日後平均1mg)の併用投与の効