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p.195 抽出テキスト

III章推奨

オピオイドが投与され、せん妄が発現した患者に対して、オピオイドの変更(オピオイドローテーション)は、変更しないことに比較してせん妄を改善するか?

オピオイドが投与され、せん妄が発現した患者に対して、オピオイドの変更は、せん妄を改善する。オピオイドが投与され、せん妄が発現した患者に対して、オピオイドを変更する。 1B (強い推奨、低いエビデンスレベル)

解 説本臨床疑問に関する臨床研究としては、系統的レビューが2件ある。無作為化比較試験はなく、前後比較研究が5 件ある。Quigeyら6)による系統的レビューでは、痛みを訴える患者に対するオピオイドの変更の有効性について、前後比較研究14件、後ろ向き研究15 件、症例報告23 件を含む52 件の文献を検討した結果、1つの報告を除き、オピオイドを変更することは疼痛緩和とオピオイドによる副作用を軽減するために有効な手段であると結論づけている。また、Mercadanteら7)による系統的レビューでは、オピオイドの変更に関して、前後比較研究が13 件、後ろ向き研究10 件などを含む31件の文献を検討し、1種類のオピオイドで疼痛緩和が不十分な患者に対してオピオイドローテーションを行うことで50%以上の患者において臨床的な改善が認められると結論づけた。Moritaら8)による前後比較研究では、モルヒネによるせん妄と診断されたがん患者20 例を対象とし、モルヒネをフェンタニルに変更したところ、MDASが10点以上である患者は治療前85%であったが、治療3日後に15%、治療7日後に5%に減少した(p <0.001)。副作用は特にみられなかった。Gagnonら9)による前後比較研究では、オピオイドによる副作用のためにオピオイドの変更を行ったがん患者63 例を対象とし、せん妄のためにオキシコドン皮下投与に変更した38 例のうち、13 例(34%)でせん妄は臨床的に改善した。注射部位の局所反応以外の副作用は認めなかった。Maddocksら10)による前後比較研究では、モルヒネが原因と考えられるせん妄のある患者13例を対象とし、オキシコドン皮下投与へ変更したところ、6日後には13例中9 例(69%)でせん妄が消失した。変更に伴う副作用はみられなかった。Ashbyら11)による前後比較研究では、オピオイドが原因と考えられる副作用のある患者49例を対象とし、モルヒネからフェンタニルへ変更したところ、せん妄は15 例中12 例で臨床的な改善がみられ、2 例は消失した。オキシコドンからフェンタニルへの変更では、せん妄は2例中1例で臨床的に改善した。モルヒネからオキシコドンへの変更では、4例中3例でせん妄が消失した。副作用に関する記載は特になかった。ほかに、McNamara12)による前後比較研究では、痛みに対してモルヒネが投与されており、モルヒネによる眠気やせん妄などの精神症状のあるがん患者19 例を対象とし、モルヒネからフェンタニル貼付剤に変更を行ったところ、認知機能検査における記憶の項目で改善が認められている。

臨床疑問38

推 奨