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p.199 抽出テキスト

2) 台湾における取組み

台湾では2016 年11 月より男女を対象に開始している.乾燥濾紙血を用いた2段階のC26:0-LPC の濃度分析後,ABCD1 遺伝子解析を施行し,全エクソーム解析により全てのペルオキシソーム病の診断確定に繋げている.その結果,全調査期間中に320,528 人の新生児からABCD1 遺伝子バリアントを持つ男性12 人,女性10 人,Zellweger 症候群の患者3 人を同定し,ALD と診断された新生児は副腎機能不全と脳白質異常についてフォローアップされている9).

3) オランダにおける取組み

オランダでは2019 年10 月にALD 男児のみをスクリーニングする地域を限定したパイロット研究が開始されている10).男児のみに限定した理由としてALD男性患者ではABCD1 病的バリアントが予後予測に繋がらないものの,発症前に診断することにより副腎不全と大脳型の精密なフォローアップが可能となり,適切な時期に治療が開始されることより恩恵を受ける可能性が高いことを挙げている.一方,女性の場合は脊髄症の生涯発症率は80~90% であるが,発症年齢は一般に40~60 歳で有効な治療法もなく,大脳型や副腎不全の発症は極めて稀であることを挙げている.そのために以下のALD 男児のみをスクリーニングするアルゴリズムを開発している.

第1 段階: 米国同様,フローインジェクションによるタンデムマス(FIA-MS/

MS)にてC26:0-LPC を指標にしたスクリーニング

第2 段階: 米国では行なっていないX カウンターを挿入してX 染色体数が1

本のみの児をスクリーニング

第3 段階: 高速液体クロマトグラフ・タンデムマス分析(HPLC-MS/MS)にて

C26:0-LPC を測定するスクリーニング

第4 段階: ABCD1 遺伝子解析により病的または意義不明のバリアントを有す

る児のみをスクリーニング

第2 段階のX カウンターで女児やクラインフェルター症候群は除外され,男児(性分化疾患を有する男児も含めて)やターナー症候群は第3 段階に進むことになる.第3 段階では米国同様,HPLC-MS/MS を用いてC26:0-LPC を測定し,偽陽性を出来るだけ減らしている.そしてスクリーニングされたALD 男児は小児神経,小児内分泌,臨床遺伝の専門医と小児内科医により包括的なフォローアップ体制と家系解析を含めた遺伝カウンセリングを受けられる体制を提供している.

4) 国内における取組み

国内では2021 年4 月より保護者の同意を得た新生児を対象に岐阜県で男児のみ,愛知県で男女(2023 年4 月より男児のみ)を対象に倫理委員会の承認を得た研究として開始している.陽性者の精密診断や家系解析は岐阜大学病院では疾患専門医に臨床遺伝医,小児神経専門医,遺伝カウンセラー,場合によっては精神