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p.4 抽出テキスト

日本腎臓学会理事長

柏原直樹

診療現場において,ヨード造影剤を用いた画像診断法は必須の検査法の一つになっています.とりわけ,急性冠症候群や虚血性心疾患を扱う循環器疾患領域や心臓血管外科領域では,診断のみならず治療の領域においても必要欠くことができません.一方,循環器疾患と腎臓病は双方向性の関係を有しています.循環器疾患に腎機能低下を伴うことは通例であり,また逆に腎機能の低下とともに動脈硬化が進行し,高率に心不全を合併します.腎機能低下患者にヨード造影剤を使用する局面において,造影剤腎症発症のリスクを正確に事前評価し,いかにして予防と重症化抑制を図るかに,関係者は心を砕きます. 2012 年,日本腎臓学会,日本医学放射線学会,日本循環器学会の共同事業として「腎障害患者におけるヨード造影剤使用に関するガイドライン2012」を刊行いたしました.関連する3 学会の英知を集めて,本邦で初めて発刊されたものであり,臨床現場で広く活用されました.この度,最新のエビデンスに基づき,再び3 学会合同で本ガイドラインが改訂されました.初版発刊後, KDIGO による急性腎障害AKI 診断基準が発表されており,改訂版はこれを踏まえています.科学的ガイドラインの作成には,網羅的なエビデンスの収集,緻密な解析からなる膨大な作業を要します.委員各位の献身的なご努力に敬意を表したく存じます.本ガイドラインは,医師のみならず診療放射線技師,看護師など多くの医療関係者に座右に置いて使われることを期待しております.本書が活用されることで,造影剤使用前の腎機能評価法の標準化・造影剤使用に適正化が進み,造影剤腎症の発症が予防され,重症化が抑制され,医療への貢献がなされることを期待しております.

日本医学放射線学会理事長

今井  裕

最近の画像診断の進歩は,医療機器の目覚ましい進化により身体の細部にわたる病態の診断を可能にしました.そして画像診断は,現在の医療において欠くことのできない重要な役割を担っており,検査件数も年々増加傾向を示しています.それに伴いCT や血管造影検査に使用されるヨード造影剤を投与する件数も増えていますが,一方で造影剤を使用することにより起こりうる腎機能障害を予防しなければなりません.この度,ヨード造影剤を使用した画像診断やIVR 治療に関わる専門家としての日本医学放射線学会と日本循環器学会,そして腎障害の診断・治療を専門とする日本腎臓学会の3 学会の共同で,「腎障害患者におけるヨード造影剤使用に関するガイドライン2018」が作成されました.これは,2012 年に3 学会の協力により作成された2012 年度版を改訂したものです.本ガイドラインの目的は,放射線医療に実際に携わる医師のほか,診療放射線技師や看護師,そして画像検査を依頼する各科の臨床医にも知ってほしい腎障害患者におけるヨード造影剤の使用指針であります.本書は,本ガイドラインの概要,造影剤腎症の診断,リスク・患者評価,造影剤の種類や投与時における留意点,造影剤腎症の予防法や治療法について,これまでに報告されている論文などのエビデンスに基づいて詳細に解説されています.ヨード造影剤を使用する画像検査や治療に関わるすべての医療従事者には,臨床の現場において本ガイドラインを十分に活用して頂き,安心・安全な造影手技の確立をお願いいたします.

「腎障害患者におけるヨード造影剤使用に関する

ガイドライン」の改訂にあたって