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p.33 抽出テキスト

リスク・患者評価

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背 景

腹膜透析患者は日本に約1万人おり,造影剤を使用した検査を受ける機会は少なからずある.腹膜透析患者にとって残腎機能は重要であり,造影剤により残腎機能が低下すれば,腹膜透析の継続が困難となる懸念がある.

解 説 CQ3—10

残腎機能を保持している腹膜透析患者へのヨード造影剤の影響に関する報告は限られている.残腎機能CCr 4.4~7.0 mL/min/1.73 m2の腹膜透析患者に造影剤100 mL 程度投与しても,残腎機能は対照群と比較しても低下しなかったという報告がある54,55).本研究の対象となる腹膜透析患者群の特徴は,尿量が1,300~1,800 mL/day と多かった点である.高度に腎機能が低下したCKD ステージG5D であるにもかかわらず,造影剤を投与しても腎障害が進行しない理由は明らかではないが,尿量が維持されている点が重要であったのか,腹膜透析によって緩徐に透析液中へ造影剤が除去されることがよいのか,また腹膜透析患者では体液がアルカレミアの状態のことが多いのでこの影響があったのかなど,今後検討が必要である.また,尿量が1,000 mL/day 未満の場合には十分なエビデンスがない.残腎機能CCr 4.0 mL/min/1.73 m2未満になった際はどうか,さらに低下した患者ではどうか,造影剤の量は残存腎機能の程度によってどこまで許容できるかなどが今後の検討課題となる.

CQ3—11

CIN の発症に関するリスクスコアは有用か?

▶回答

CAG・PCI 後のCIN の発症に関する複数のリスクスコアが報告されている.現時点で十分な検証がされていないため,その使用を推奨するのは適当ではない.

背 景

CIN 発症には多くのリスクファクターが知られており,これらのリスクファクターは各々相加的に作用することが知られている.CIN の発症は院内死亡率の増加にも関連することから,どのようなリスクの組合せ(リスクスコア)がCIN の発症に関連するかを知ることは,CIN の発症予防の点からも重要であると考えられる.

解 説 CQ3—11

CIN の発症に関するリスクスコアに関して多くの報告が集積されている.初期の報告として,Mehran ら56)は,PCI 後のCIN を予測するためのリスクスコア〔低血圧5 点,IABP 5 点,うっ血性心不全5 点,75 歳以上4 点,貧血3 点,糖尿病3 点,造影剤使用量100 mL 当たり1点,腎機能(SCr 値>1.5 mg/dL:4 点,またはeGFR(mL/min/1.73 m2):40~60→2 点,20~ <40→4 点,<20→6 点)〕はCIN の発症リスク,透析のリスク評価に有用であるとした56,57).このリスクスコア値に基づくCIN のリスク,透析のリスクは各々,5 点以下では7.5%,0.04%, 6~10 点では14.0%,0.12%,11~15 点では26.1%,1.09%,16 点以上では57.3%,12.6%と報

エビデンスレベルIVa 推奨グレード 該当せず