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p.28 抽出テキスト

解 説 CQ3—4

RAS 阻害薬がCIN のリスクを増加させるエビデンスはない.また,RAS 阻害薬が造影剤腎症の発症を増加させるかに関する一定した見解はなかった11,12).近年,3 つのメタ解析/システマティックレビューが報告された.いずれも冠動脈造影(動脈形成術を含む)によるCIN を検討したもので,12 報告1,868 例を対象としたZhou らの報告13)では,ACE阻害薬を造影剤投与時に継続服用していた場合のCIN発症率は7.9%(コントロール: 8.2%)でRR 0.95,95%CI 0.57~1.58 であった.12 報告4,493 例をまとめたJo らの報告14)では, RAS 阻害薬使用のCIN 発症のOR は1.27,95%CI 0.77~2.07,p=0.351 と有意ではなかった.サブ解析でRAS 阻害薬の使用継続群と新たに開始した群に分類して検討すると,RAS 阻害薬継続使用はRAS 阻害薬中断に対してCIN 発症のOR は2.06,95%CI 1.62~2.61,p<0.001 と有意にCIN のリスクとなり,RAS 阻害薬を新たに開始した群の偽薬に対するCIN 発症OR は0.52,95%CI 0.23~1.16,p=0.108 とリスクではなかった.このメタ解析に採用された報告のうちRAS 阻害薬継続のCIN 発症のリスクを示した報告は,すべてコホート研究でありRCT ではCIN 発症のリスクは示されていない.サブ解析の結果でもあり結論を導くにはさらなる検証が必要である.CIN に対するRCT による介入試験を集めたメタ解析15)では,ACE 阻害薬はOR 1.06,95%CI 0.69~1.61,p=0.8 と有意なリスクファクターではなかった.また,冠動脈造影に対してACE 阻害薬/ARB 服用者を対象に,継続群と休薬群に分けて検証した報告において,いずれの群もCIN 発症に有意差は認められなかった16~18).以上よりRAS 阻害薬の服用がCIN 発症のリスクを増加させるかは明らかではない.

CQ3—5

利尿薬使用を継続することはCIN 発症のリスクを増加させるか?

▶回答

経口利尿薬の継続がCIN の発症リスクを増加させるかは明らかではない.

CQ3—6

予防的な利尿薬の使用はCIN 発症のリスクを増加させるか?

▶回答

予防的な利尿薬使用はCIN 発症のリスクを増加させるため使用を推奨しない.

背 景

利尿薬,特にループ利尿薬による強力な利尿作用は乏尿性腎不全を改善させ,尿細管上皮細胞の酸素消費量を減少させるため,髄質の酸素濃度を上昇させ,保護的に作用すると考えられていた.また心不全やCKD 患者においては利尿薬を使用することは多い.一方,ループ利尿薬により脱水となった場合には,腎機能を悪化させることも危惧されている.

エビデンスレベルII推奨グレード 該当せず

エビデンスレベルII推奨グレードC2