GL検索 v0.1.0
画像は 27 ページを描画したものです
page 27

p.27 抽出テキスト

リスク・患者評価

3

強因子であるとしている.すなわち,糖尿病を合併したCKD 患者においてCIN 発症リスクは高くなる5). PCI を受けた糖尿病患者の腎イベントの予後にCKD が関与するかを調査した観察研究では, PCI 後のCIN は,非CKD 群で15%,CKD 群で27%に発症し,透析必要例は非CKD 群で0.1%,CKD 群で3.1%であったとしている.CIN の予知はPCI 前後の低血圧(OR 2.62,95%CI 1.63~4.19),インスリン治療(OR 1.84,95%CI 1.36~2.47),造影剤量(OR 1.30,95%CI 1.16~ 1.46)に関係していたとされている6).さらに糖尿病,CKD,糖尿病+CKD を対象に,CIN の発症を検討した成績では,糖尿病+ CKD はCIN のリスクであったが,糖尿病単独,CKD 単独はCIN のリスクではなかったと報告されている7).また等浸透圧造影剤のiodixanol か低浸透圧造影剤を使った16 のRCT(計2,727例)のメタ解析において,CIN の発症予測因子はCKD,CKD+糖尿病,低浸透圧造影剤の使用であったとされている8). 2013 年のMoos らによる造影CT 患者でのCIN 発症とリスクファクターに関するシステマティックレビューでは,SCr 値0.5 mg/dL 以上もしくは25%以上の増加で定義されたCIN 発症率は4.96%(95%CI 3.79~6.47)であった.また,リスクファクターに関しては,既存の腎不全(OR 1.73,95%CI 1.06~2.82),糖尿病(OR 1.87,95%CI 1.55~2.26),悪性腫瘍(OR 1.79, 95%CI 1.03~3.11),65 歳以上(OR 1.95,95%CI 1.02~3.70),NSAIDs 使用(OR 2.32,95%CI 1.04~5.19)は,CIN と関連していたが,高血圧,貧血,うっ血性心不全はCIN との関連性はなかった9).また,2012 年のKooiman らによる造影CT 患者でのCIN 発症と透析必要例に関するシステマティックレビューでは,SCr 値25%以上の増加もしくは44μmol/L 以上の増加で定義されたCIN 発症率は6.4%(95%CI 5.0~8.1)であったが,CIN による透析必要例は0.06% (95%CI 0.01~0.4)と少なかった.この研究においてもCKD(OR 2.26,95%CI 1.66~3.07),糖尿病(OR 3.10,95%CI 2.34~4.09)はCIN 発症のリスクであったと報告されている10).以上のように加齢と糖尿病はCIN 発症のリスクファクターであるが,CKD を伴わない糖尿病がCIN 発症のリスクファクターであるか否かについては,相反するエビデンスが集積されており,現時点では明らかではない.また,加齢の年齢別のCIN 発症リスク増加のエビデンスはないため,個人の病態に応じてリスクを判断する必要がある.

CQ3—4

RAS 阻害薬使用はCIN 発症のリスクを増加させるか?

▶回答

RAS 阻害薬がCIN のリスクを増加させるエビデンスは明らかではない.

背 景

RAS(レニン・アンジオテンシン系)阻害薬は全身血圧を低下させ,また,輸出細動脈を拡張するため,糸球体内圧が低下し,その結果,糸球体濾過量が減少する.造影剤を使用するときにRAS 阻害薬を使用すると腎機能の低下が増悪する可能性があり,使用を中止するほうがよいという考え方がある.

エビデンスレベルII推奨グレード 該当せず