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p.26 抽出テキスト

解 説 CQ3—1~CQ3—3

CQ3—1近年,腎機能は従来のSCr 値ではなくGFR を用いて評価されるようになった.これにより2014 年以降に改定された各国の造影剤使用に関するガイドラインでは腎機能をGFR で評価しており,GFR 低下はCIN のリスクファクターであると記載されている.しかし,リスクとする腎機能低下の閾値に関しては各ガイドラインで異なり(表1),造影剤使用を避けるべき腎機能低下(GFR)の程度に関しては一致していない.また,以前からヨード造影剤の経静脈造影検査は経動脈造影検査よりもCIN 発症リスクが低いとの報告があり,さらに,経静脈的投与(静注)ヨード造影剤によるCIN 発症リスクは従来考えられていたよりも低いとする報告がされている.すなわちガイドラインESUR 2014 ではヨード造影剤の静注ではeGFR<45 mL/min/1.73 m2,経動脈的投与(動注)ではeGFR<60 mL/min/1.73 m2をリスクと捉え,RANZCR 2016 ではeGFR>45 mL/min/1.73 m2であれば,静注ヨード造影剤によるCINはみられないかもしれないとし,ACR 2017 ではeGFR<30 mL/min/1.73 m2を静注でのリスクと捉えており,一定していない.本ガイドラインでは引き続きCKD(eGFR<60 mL/min/1.73 m2)をCIN のリスクファクターであると捉え,各論については,侵襲的診断法(心臓カテーテル検査など)CQ5—1,4,7 およ非侵襲的診断法(造影CT など)CQ6—1 を参照していただきたい. * ガイドライン委員会終了後にESUR の造影剤ガイドライン2018 が出版された.経静脈投与

および経動脈投与のeGFR 別のリスク評価が緩和された.経動脈投与でも一度肺循環または末梢循環を介してから腎臓に造影剤が到達するルートの場合は経静脈投与と同程度のリスクであるとされている. CQ3—2,3加齢と糖尿病がCIN 発症のリスクファクターであることに関する報告は,主に以下のものがある.PCI の施行中に予防策をとらなかったSCr 値1.5 mg/dL 未満の患者3,036 例を用いたコホート研究において,CIN の発症率は7.3%であったが,このなかでCIN のリスクファクターとしては,年齢(OR 6.4,95%CI 1.01~13.3),女性(OR 2.0,95% CI 1.5~2.7),左室駆出率< 50%(OR 1.02,95%CI 1.01~1.04),貧血(Hb<11 g/dL) (OR 1.5,95%CI 1.01~2.4),収縮期低血圧(<100 mmHg) (OR 1.5,95%CI 1.01~2.2)であり,さらにインスリン治療中の糖尿病は経口糖尿病薬や食事療法中の糖尿病に比して最も高いリスクであったと報告されている1). CIN 発症の予防策を行ったCAG を受けた136 例の観察研究において,15.44%がCIN を起こしたが,高齢と心不全(左室駆出率<40%)がCIN のリスクファクターであったとされている.さらに心不全と貧血,糖尿病,心筋梗塞の既往,高齢(>70 歳)の複合はCIN のリスクを3 倍上昇させたと報告されている2).また,経動脈造影を受けた364 例のコホート研究において, CIN は全体で7.1%にみられ,1.4%は透析を必要としたが,検査前腎障害,高齢,造影剤使用量,造影検査方法(腹部大動脈造影),糖尿病,合併する心疾患はCIN のリスクファクターであったと報告されている3). 2007 年に報告されたレビューには,CIN の古典的なリスクファクターは,検査前腎不全,糖尿病,高齢,腎毒性物質投与,脱水,大量の造影剤使用,イオン性高浸透圧性造影剤,うっ血性心不全であり,またCIN の新しいリスクファクターは,メタボリックシンドローム,境界型糖尿病,高尿酸血症であるとされている4). CKD,糖尿病とCIN 発症に関してはeGFR<60 mL/min/1.73 m2はCIN のリスクファクター