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造影剤腎症の診断 2 文 献1) KDIGO AKI Work Group. KDIGO clinical practice guideline for acute kidney injury. Kidney Int(Suppl). 2012;17: 1—138. 2) Morcos SK, Thomsen HS, Webb JA:Contrast—media—induced nephrotoxicity:a consensus report. Contrast Media Safety Committee, European Society of UrogenitalRadiology(ESUR). Eur Radiol 1999;9:1602—1613. 3) AKI(急性腎障害)診療ガイドライン2016,AKI(急性腎障害)診療ガイドライン作成委員会(編):日本腎臓学会,日本集 中治療医学会,日本透析医学会,日本急性血液浄化学会,日本小児腎臓病学会,東京医学社,東京,2016. 血清シスタチンC によるGFR 推算式 シスタチンC は新たなGFR マーカーとして保険適用となっており,3 カ月に1 回の測定が可能である.近年,国際的な標準物質(ERM—DA471/IFCC)により,測定法が標準化したため日本人の血清シスタチンC 値による推算式が作成された. ● 血清シスタチンC 値は筋肉量や食事,運動の影響を受けにくいため,SCr 値によるGFR 推算式 では評価が困難な場合に有用と思われる.筋肉量が少ない症例(四肢切断,長期臥床例,るいそうなど)筋肉量が多い症例(アスリート,運動習慣のある高齢者など) ● 血清シスタチンC 値に影響する因子として腎機能以外に妊娠,HIV 感染,甲状腺機能障害などが 報告されている.薬剤による影響など十分にわかっていない点もある. ● シスタチンC は腎外での代謝・排泄が推測され,末期腎不全であっても血清シスタチンC 値の増 加は5~6 mg/L で頭打ちとなる.推算式中の-8 mL/min/1.73 m2は腎外での代謝・排泄を想定した定数である.血清シスタチンC 値が7 mg/L 以上ではeGFR がマイナス値に算出される場合もあり,この場合はeGFR<5 mL/min/1.73 m2の末期腎不全と評価する. ● 一般的にはSCr 値によるeGFR と血清シスタチンC 値によるeGFR の平均値を用いると,推算 GFR の正確度は高くなるので,eGFR=60 mL/min/1.73 m2付近でのCKD 評価など,より正確な推算GFR が必要な場合に両者を算出することは有用である. Column 男性:eGFRcys(mL/min/1.73 m2)=(104×Scys-1.019×0.996Age)-8女性:eGFRcys(mL/min/1.73 m2)=(104×Scys-1.019×0.996Age×0.929)-8 AKI 診療ガイドライン2016米国では急性腎障害(AKI:Acute Kidney Injury)が急増しており,高齢化,CKD や糖尿病患者の増加な どにより20 年間に約5 倍増えている.2012 年にKDIGO によるAKI 診断基準が策定され1),国際的に統一された基準が使われるようになったことから,本邦でもAKI のガイドラインが2016 年に発表された3).AKIはさまざまな病態を背景として発症する疾患スペクトラムの広い症候群であるが,AKI のなかでも造影剤腎症は頻度が高く,CKD 患者など高リスク群では特に注意が必要である.AKI の発症リスクとその評価についてガイドラインでは手術に関連した場合と心不全などの病態でのリスクをまとめてある.両者とも,もともとの腎機能低下の有無,加齢が影響することが示されているが,特に敗血症については,レニン—アンジオテンシン(RA)系阻害薬の内服患者において,AKI 発症頻度が上昇したということが述べられている.現在は血清クレアチニン値が診断のマーカーであるが,術後24~48 時間で上昇することが多く,診断が遅れがちであり,早期診断のバイオマーカーとして,尿中NGAL(Neutrophil Gelatinase—Associated Lipocalin),L—FABP(Liver—type Fatty Acid—Binding Protein),尿中シスタチンC について言及している.また,AKI 患者の長期フォローアップも重要である.近年,AKI の長期予後は不良で,多くがCKD になることがわかってきた.また,一度AKI になると高血圧や心臓病も発症しやすいことも示されている.発症3 力月後を目安に患者の状態を確認し,それに応じて長期フォローアップをすることが提案されている. AKI の発症リスクとして,加齢や発症前から存在する腎機能低下であることは明らかで,高齢者は両者を有する高リスク群である.高齢者のAKI の発症のリスク因子としては,RA 系阻害薬,利尿薬,非ステロイド性抗炎症薬,ビタミンD 製剤などの服用があげられる.また高齢者が脱水,発熱,感染症になるとAKI を発症しやすい.リスク因子となる薬の使用は必要最小限にし,常用している高齢患者には腎機能検査を行うなど,AKI の早期発見,重症化予防を念頭においた診療を行う必要がある.高齢者に造影剤を使用する場合,多くのAKI 発症のリスク因子を有している可能性があり十分な注意が必要である. Column