GL検索 v0.1.0
画像は 21 ページを描画したものです
page 21

p.21 抽出テキスト

造影剤腎症の診断

2

CIN とは,ヨード造影剤による腎障害のことで,造影後に腎機能低下がみられ,造影剤以外の原因(コレステロール塞栓など)が除外される場合に診断される.一般的に腎機能低下は可逆的で,SCr 値は3~5 日後にピークに達した後,7~14 日後に前値に戻る.症例によっては,腎機能低下が進行し,人工透析が必要となる場合もある.臨床研究では,CIN の診断基準としてSCr 値の0.5 mg/dL 以上の増加,1.0 mg/dL 以上の増加,25%以上の増加,50%以上の増加など,さまざまな基準が用いられ,腎機能低下を評価する時期も造影後24 時間,48 時間,72 時間,4 日,7 日など一定していない.一般的には造影後,72 時間以内にSCr 値が前値より0.5 mg/dL 以上または25%以上増加した場合と定義され,多くの臨床研究で用いられてきた.実臨床では72 時間にこだわらず,CIN 発症が疑われる場合は,より早期から,そして経時的なSCr 値評価を行うことが重要である. CIN の発症頻度は診断基準に大きく依存し,造影前の腎機能などCIN 発症群の臨床的な特質も診断基準に影響される.1999 年に欧州泌尿生殖器放射線学会(ESUR)より発表された定義である「72 時間以内にSCr 値が前値より0.5 mg/dL 以上または25%増加した場合」が広く用いられてきた2).一方,CIN は急性腎障害(acute kidney injury:AKI)の1 つであるので,AKIの診断基準を用いて評価することも試みられてきた.AKI の国際的な診断基準は,2004 年にAcute Dialysis Quality Initiative(ADQI)により作成されたRIFLE 分類,2007 年にAcute Kidney Injury Network(AKIN)により作成されたAKIN 分類,2012 年にKDIGO により作成されたAKI のガイドライン(KDIGO Clinical Practice Guideline for Acute Kidney Injury)1)がある.KDIGO のAKI ガイドラインでは48 時間以内にSCr 値の0.3 mg/dL 以上の増加,または6 時間以上の尿量減少(<0.5 mL/kg/h)などをAKI の診断基準としており,CIN もAKI の1 つ

原疾患蛋白尿区分A1 A2 A3

糖尿病尿アルブミン定量

(mg/day)尿アルブミン/Cr 比

(mg/gCr)正常微量アルブミン尿顕性アルブミン尿

30 未満30~299 300 以上

腎炎高血圧多発性囊胞腎移植腎不明そのほか尿蛋白定量(g/day)尿蛋白/Cr 比

(g/gCr)正常軽度蛋白尿高度蛋白尿

0.15 未満0.15~0.49 0.50 以上

GFR 区分(mL/min/1.73 m2) G1正常または高値≧90

G2正常または軽度低下60~89 G3a 軽度~

中等度低下45~59 G3b 中等度~

高度低下30~44 G4高度低下15~29

G5末期腎不全<15

KDIGO CKD guideline 2012 を日本人用に改変透析や腎移植などが必要な末期腎不全や,脳卒中,心筋梗塞,心不全などの心血管系疾患の発症リスクを低い方から, → → →と色分けしている.