p.20 抽出テキスト
CQ2—1 造影剤腎症(contrast induced nephropathy:CIN)はどのように診断するか? ▶回答 一般的にはヨード造影剤投与後,72 時間以内に血清クレアチニン(SCr)値が前値より0.5 mg/dL 以上または25%以上増加した場合にCIN と診断する.また,CIN は急性腎障害(acute kidney injury:AKI)の1 つでもあるので,AKI の診断基準を用いて評価することも行われている(KDIGO Clinical Practice Guideline for Acute Kidney Injury1)).KDIGO のAKI の診断基準では,ヨード造影剤投与後,48 時間以内にSCr 値が前値より0.3 mg/dL 以上増加した場合,またはSCr 値がそれ以前7 日以内にわかっていたか,あるいは予想される基礎値より1.5倍以上の増加があった場合,または尿量が6 時間にわたって<0.5 mL/kg/h に減少した場合にCIN と診断し,重症度(病期)は表2 により評価される. 解 説 CQ2—1 CIN 発症のリスクは腎機能低下に応じて増加するので,造影前にできるだけ直近のSCr 値を用いて腎機能を評価することが重要である.慢性腎臓病(CKD)の腎機能による重症度分類(表1)では,GFR<60 mL/min/1.73 m2のG3a~G5 がCKD に該当する.腎機能がGFR 60 mL/min/ 1.73 m2以上で蛋白尿がある症例もCKD と診断されるが,このガイドラインではGFR<60 mL/ min/1.73 m2の腎機能低下例のみをCKD と表現する.GFR 評価には,以下の推算式による推算GFR(eGFR)を用いる.検査前の腎機能評価はeGFR で行うが,CIN の診断はeGFR の変化ではなく,SCr 値の変化で評価する.なお,急性腎障害によりGFR が低下してもSCr は24~48 時間程度の遅れをもって上昇するため,SCr に基づいて計算されたeGFR もまた,リアルタイムに真のGFR を示さないことに留意する. 日本人のGFR 推算式(18 歳以上を対象) eGFRcreat(mL/min/1.73 m2)=194×Cr-1.094 Age-0.287(女性は×0.739) 造影剤腎症の診断2