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景や検査結果などから,それぞれの微生物が原因として想定される場合を作成し,Table 4-3-1 にまとめた。 CQ4-4:敗血症が疑われて経験的抗菌薬を使用する患 者において,投与前の各種培養陰性の確認をしたら抗菌薬を中止するか? 臨床的に敗血症と診断し,しかるべき培養検査を行っても,その約30~60% は培養陰性となり“culture negative sepsis”と称される 10)。敗血症の診断にもとづき経験的抗菌薬を開始した後,培養が陰性であった場合,安全に抗菌薬を終了可能かどうかは明らかではなく,culture negative sepsis の疫学や予後をまとめた知見は少ない。敗血症と診断した最大半数の患者が遭遇しうる状況であり,本ガイドラインに取り上げるべき重要臨床課題であると考えCQ として設定した。システマティックレビューの結果,本CQ にこたえるランダム化比較試験(RCT)は存在せず,エビデンス不十分として,エキスパートコンセンサスとした。 CQ4-5:感染症専門家あるいは抗菌薬適正使用支援 チームに相談するのはどのような場合か? 抗菌薬適正使用支援チーム(antimicrobial stewardship team: AST)は,感染症専門の薬剤師や医師を中心として臨床検査技師や看護師,事務職員で構成され,医療機関において抗菌薬適正使用を実践するチームである。 敗血症の診療において,抗菌薬の選択や投与経路,投与間隔,投与期間の決定は患者の予後に影響を与える重要な介入である 2)。そのため,敗血症診療においては,想定される原因微生物を十分カバーする抗菌薬の選択が求められる。しかしながら,敗血症の初期抗菌薬として何を選択するべきかに関しては,画一的な回答はなく,実際には個々の症例に応じて抗菌薬を選択する必要があるため,対応する医師の大きな負担となりうる。AST に相談することで,適切な感染巣の評価や抗菌薬選択,抗菌薬の投与期間設定の援助がなされ,医師の負担を軽減すると共に,適切な感染症治療遂行が期待できる 11)。具体的にどのような場合に相談すべきかについて,情報提供した。 CQ4-6:敗血症に対する経験的抗菌薬は,敗血症認知 後1 時間以内を目標に投与を開始するか? 敗血症における抗菌薬投与のタイミングに関しては,RCT の施行がむずかしいが,可及的速やかに抗菌薬投与を開始する有益性は,理論的に受け入れやすく,それを支持する観察研究が複数報告されている 12-14)。Kumar らの観察研究では敗血症性ショック 患者において,抗菌薬投与が1 時間遅れるごとに死亡率が7.6% 増加すると報告されている 15)。しかし,1時間以内の抗菌薬投与に固執した場合,原因微生物診断の推定が不十分となり,不必要かつ過剰に広域・多剤の抗菌薬投与が増える可能性がある。そのため,現時点のエビデンスを再精査し,RCT と観察研究を含めたシステマティックレビューを行い,推奨文を作成した。 CQ4-7:敗血症に対してβラクタム系薬の持続投与ま たは投与時間の延長を行うか? 本CQ は抗菌薬のPK-PD(pharmachokinetics/ pharmachodynamics)理論にもとづき,既存の抗菌薬の治療効果を高められないかを検討した臨床課題である。βラクタム系薬は敗血症治療に最も広く選択される抗菌薬であり 16),その殺菌作用と治療効果は,血中濃度が治療対象となる細菌の最小発育阻止濃度(MIC)を超えている時間に相関する。この特性を考慮すると,点滴時間を延長するかもしくは持続投与することは,time above MIC(24 時間の中で抗菌薬の血中濃度がMIC を超えている時間の割合)を延長し,より優れた臨床効果が期待できる可能性がある 17)。しかし,これまで本邦において抗菌薬は間欠的投与されることが多かった。近年,この疑問に答えるRCTが報告されており,これらのRCT を対象としたシステマティックレビューを行い,推奨文を作成した。 CQ 4-8:敗血症に対する抗菌薬治療において,デエ スカレーションを行うか? デエスカレーションとは,経験的治療として投与開始された広域ないし多剤の抗菌薬が適切で,かつ必要なソースコントロールができている場合において,原因菌の同定 / 抗菌薬感受性が判明したのちに,可及的速やかに狭域・単剤の抗菌薬へと変更する戦略のことである 18)。デエスカレーションは,AMR 対策,感染管理,そして医療経済的な視点から理にかなった戦略である。J-SSCG 2016 では 4, 5),敗血症,敗血症性ショックの患者に対する抗菌薬治療において,デエスカレーションを実施することが弱く推奨(2D)されており,SSCG 2016 3)でもbest practice statement として推奨されていた。 しかし,デエスカレーションという介入を直接的に評価するRCT を企図することは容易ではなく,過去の報告は観察研究が多い。今回はRCT および観察研究の双方においてエビデンスを評価し,推奨を作成し -S 59-