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この版は旧版です。新版があります: JSICM 2024 日本版敗血症診療ガイドライン2024(J-SSCG2024)本編 新版を読む
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p.54 抽出テキスト

CQ3-6:壊死性軟部組織感染症による敗血症患

者に対して,外科的デブリードマン術による感染源のコントロールを行うか?

Answer:壊死性軟部組織感染症による敗血症患者に対して,可及的速やかに外科的デブリードマン術による感染源のコントロールを行うことを弱く推奨する(エキスパートコンセンサス:エビデンス不十分)。

(1)背景および本CQ の重要度

壊死性軟部組織感染症は,早期の感染源の外科的コントロールが必要な疾患である。デブリードマン術の必要性の有無が画像検査では困難であることなども知られており,重要臨床課題であるため,本ガイドラインのCQ として取り上げた。

(2)PICO

P  (患者):壊死性軟部組織感染症による敗血症患者I  (介入):外科的デブリードマン術を行うC  (対照):外科的デブリードマン術を行わないO  (アウトカム):28 日死亡,病院死亡,ICU 滞在

日数,病院滞在日数,感染源のコントロールに伴う合併症

(3)エビデンスの要約

システマティックレビューの結果,PICO に合致したランダム化比較試験(RCT)は存在しなかった。

(4)益と害のバランス望ましい効果:

敗血症の原因となっている壊死組織(軟部組織)に対し,外科的デブリードマン術を行うことで,感染源の確実なコントロールが可能となり,生命予後や治療日数の短縮などの望ましい効果が得られる可能性が高いと考えられる。望ましくない効果:

多くは全身麻酔下での手術が必要である。循環動態の不安定例では麻酔導入によるさらなる不安定化も懸念される。また,出血などによる循環動態への影響も懸念される。外科的デブリードマン術により,新たな臓器虚血を来し,追加の外科的デブリードマン術が必要となることもある。益と害のバランス:

PICO に合致するRCT は存在せず不明であるが,感染源を外科的に除去することは,外科的治療を行わない場合よりも益が害を上回るものと考えられる。(5)アウトカム全般に関するエビデンスの確実性

システマティックレビューを行ったが,PICO に合致するRCT は存在しなかった。

(6)価値観

一般的に,死亡が低下することについて患者・家族は重視すると考えられ,不確実性やばらつきはないと考える。

(7)容認性

手術室への移動を伴うため,医師,看護師など医療従事者の仕事量が増大するが,集中治療室での仕事の範疇であり,特にその影響は少ないと考えられる。外科的治療に伴うコストの増大はあるが,全体の診療に占める割合は小さく容認性は妥当なものといえる。

(8)実行可能性

外科的デブリードマン術は,敗血症診療を行う多くの施設で実行可能であると考えられる。しかしながら,状況により実行不可能な場合は,迅速に施行可能な施設への移送などの負担が生じる。

(9)判断の要約(Table 3-6-1)

(10)推奨グレーディング決定の工程

修正RAND 法を用いた投票によって,中央値8,見解不一致指数0.178 の結果となり,委員会で採択された(7 点以上:87.5%)。

(11)関連する他の診療ガイドラインにおける推奨

SSCG 2016 では,敗血症や敗血症性ショックの患者においては,緊急で感染源のコントロールを要する特定の解剖学的部位がないかどうかの診断を速やかに行うことが推奨されており,診断後は可能な限り速やかに感染源のコントロールのためのインターベンションを行うことを推奨する「best practice statement」となっている 1)。

筋膜や筋区画などの深部感染を来しているかどうかの判断が重要となるが,IDSA(Infectious Diseases Society of America)のガイドラインにおいては,CTやMRI などの画像診断が有用ではあるが,画像診断のために治療介入が遅れる可能性がある場合には,早期に外科的デブリードマン術を行って筋膜組織まで感染が及んでいるかどうかを直接目視にて確認することが推奨されている 2)。

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