GL検索 v0.1.0
この版は旧版です。新版があります: JSICM 2024 日本版敗血症診療ガイドライン2024(J-SSCG2024)本編 新版を読む
画像は 49 ページを描画したものです
page 49

p.49 抽出テキスト

CQ3-4-2:感染性膵壊死に対して,より低侵襲な

インターベンション治療で感染源のコントロールを行うか?

Answer:感染性膵壊死による敗血症患者に対して,より低侵襲なインターベンション治療による感染源のコントロールを行うことを推奨する(GRADE 2B:エビデンスの確実性 = 「中」)。

(1)背景および本CQ の重要度

感染性膵壊死は,何らかのインターベンション治療で感染源を除去することが必要な疾患である。近年,ドレナージ手技としては,1手術的ドレナージ,2内視鏡的ドレナージ,3経皮的ドレナージ(主に後腹膜経路),4治療効果に従って段階的に侵襲の強度を強めていくアプローチ(step-up approach)など,いくつかの治療戦略が報告されてきており,治療侵襲度と治療効果の関連については重要臨床課題である。

(2)PICO

P  (患者):感染性膵壊死による敗血症患者I  (介入):より低侵襲的な方法で感染源のコント

ロールを行うC  (対照):侵襲的な方法で感染源のコントロールを

行うO  (アウトカム):死亡(6 か月,3 年,10 年),ICU

滞在日数,病院滞在日数,感染源のコントロールに伴う合併症

(3)エビデンスの要約

システマティックレビューの結果,PICO に合致した2 つのランダム化比較試験(RCT)があることが確認された(より低侵襲的な方法94 例,侵襲的な方法92 例)。

死亡アウトカムに関しては,6 か月死亡アウトカムの効果推定値は,リスク差(RD)1,000 人あたり40人 多い(48 人少ない~211 人多い )であり,ICU 滞在日数および病院滞在日数については,効果推定値はそれぞれ,平均(MD)19.74 日多い(20.84 日少ない~60.31 日多い)・MD 7.76 日少ない(27.86 日少ない~12.34 日多い)であった。効果推定値の幅が広く,侵襲的なインターベンション治療に比べてより低侵襲的なインターベンション治療が感染源のコントロールに及ぼす効果はわからない。

一方,より低侵襲的な方法(ドレナージ手技)で感染源のコントロールを行うと,侵襲的な方法に比べて合併症の発生は低い[RD 1,000 人あたり187 人少な

い(95% CI: 305 人少ない~55 人多い)]という結果となり,より低侵襲的なインターベンション治療の効果が認められた。

(4)益と害のバランス(Table 3-4-2-1)望ましい効果:

2 つのRCT のデータでは,より低侵襲的な方法(ドレナージ手技)で感染源のコントロールを行うと,侵襲的な方法に比べて合併症の発生は低い[RD 1,000人あたり187 人少ない(95% CI: 305 人少ない~55 人多い)]。以上の結果から,より低侵襲的なインターベンション治療の望ましい効果は「中」と考えられる。望ましくない効果:

死亡アウトカムに関しては,短期(6 か月)・中期(3 年)・長期(10 年)の3 つの時間軸で検討した。ICU 滞在日数および病院滞在日数も合わせて検討した。

6 か月死亡のみで2 つのRCT のデータ(より低侵襲的な方法94 例,侵襲的な方法92 例)をpool でき,死亡アウトカムの効果推定値は,RD 1,000 人あたり40 人 多い(48 人少ない~211 人多い )であった。また,ICU 滞在日数・病院滞在日数の効果推定値はそれぞれ,MD 19.74 日多い(20.84 日少ない~60.31 日多い)・MD 7.76 日少ない(27.86 日少ない~12.34 日多い)であった。

効果推定値の幅が広く,侵襲的なインターベンション治療に比べてより低侵襲的なインターベンション治療で感染源のコントロールを行うことによる望ましくない効果はわからない。益と害のバランス:

本CQ の介入における望ましい効果は「中」であり,望ましくない効果は効果量の幅が広く,わからないと判断した。その効果のバランスは介入あるいは比較対照のいずれも支持しない。

(5)アウトカム全般に関するエビデンスの確実性

今回採用したすべてのアウトカムの効果推定値の方向性は一致している(効果なし)ため,全体としては一番高いアウトカムの確実性を採用した。アウトカム全体にわたるエビデンスの確実性は「中」である。

(6)価値観

各アウトカムにおける患者・家族の価値観に関するデータはない。一般的に,死亡アウトカムが低下することについて患者・家族は重視すると考えられ,不確

-S 47-