GL検索 v0.1.0
この版は旧版です。新版があります: JSICM 2024 日本版敗血症診療ガイドライン2024(J-SSCG2024)本編 新版を読む
画像は 25 ページを描画したものです
page 25

p.25 抽出テキスト

CQ1-2:敗血症の診断と重症度分類

要約:敗血症の診断は,1感染症もしくは感染症の疑いがあり,かつ2SOFA(sequential【sepsis-related】organ failure assessment)スコア(Table 1-2-1)の合計2 点以上の急上昇として行う。

敗血症診断に至るプロセスは,病院前救護,救急外来,一般病棟における場合と,集中治療室あるいはそれに準じる場合に分けて行う。病院前救護,救急外来,一般病棟では,感染症あるいは感染症が疑われる場合には,敗血症のスクリーニングとしてquick SOFA(qSOFA)(Table 1-2-2)を評価する。qSOFA は, 1意識変容,2呼吸数≧22 回 / 分,3収縮期血圧≦ 100mmHg の3 項目で構成される。感染症あるいは感染症が疑われる状態において,qSOFA の2 項目以上が満たされる場合に敗血症を疑い,早期治療開始や集中治療医への紹介のきっかけとする。

一方,集中治療室あるいはそれに準じる環境では, SOFA スコアを用いる。既に感染症と診断されている場合や感染症が疑われる状態では,SOFA スコアの推移を評価し,SOFA スコアの2 点以上の急上昇により敗血症と診断する。

敗血症性ショックは,敗血症の中に含まれる重症度の高い1 区分であり,「敗血症の中でも急性循環不全により死亡率が高い重症な状態」として区別する。敗血症性ショックの診断は,平均動脈血圧≧65mmHg以上を保つために輸液療法に加えて血管収縮薬を必要とし,かつ血中乳酸値2mmol / L(18mg / dL)を超える場合とする。以上のように,敗血症の診断においては,感染症の

評価に加えて,集中治療室内外での診断プロセスが異なる。病院前救護,救急外来,一般病棟などの集中治療室外では,qSOFA を用いて敗血症を疑う。しかし,敗血症の確定診断は,SOFA スコアの推移の確認が必要であり,集中治療室あるいはそれに準じる診療環境におけるSOFA スコアを用いた最終診断が必要である。解説:日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG)2020では,敗血症の重症度分類は,敗血症と敗血症性ショックの2 つの区分とする。CQ1-1 で示した敗血症の定義に従い,敗血症の治療ターゲットを臓器障害とし,感染症による臓器障害の進展として敗血症の診断と治療にあたる。Sepsis-1 1)およびSepsis-2 2)の定義における全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome: SIRS)の診断にとらわれずに,感染症の増悪として臓器障害の進行と結びつけ 3)て敗血症を診断し,qSOFA 4)とSOFA スコア 5)を敗血症診断に用いる。この敗血症診断における方策は,J-SSCG 2016 6-9),さらにSurviving Sepsis Campaign 10, 11)や国際的動向に準じている。

qSOFA に関するSeymour らの原著論文 4)では,ペンシルバニア州南西部にある12 の病院における2010~ 2012 年の間に記録された約130 万件の電子カルテより,感染を疑う148,907 例を解析している。qSOFA は,派生コホート(derivation cohort)より院内死亡に関連した要因をロジスティック回帰分析で抽出して作成された。次に,検証コホート(validation cohort)を利用して,SIRS 診断基準,SOFA スコア,ロジスティック器

Table 1-2-1 SOFAスコア

スコア0 1 2 3 4意識Glasgow coma scale 15 13-14 10-12 6-9 <6呼吸PaO2 / FIO2(mmHg) ≧400 <400 <300 <200 および呼吸補助<100 および呼吸補助循環平均血圧≧70mmHg平均血圧<70mmHgドパミン<5μg / kg / 分あるいはドブタミンの

併用ドパミン5-15μg / kg / 分あるいはノルアドレナリン ≦0.1μg / kg / 分ある

いはアドレナリン≦

0.1μg / kg / 分ドパミン>15μg / kg / 分

あるいはノルアドレナリン >0.1μg / kg / 分あるいはアドレナリン>

0.1μg / kg / 分

肝血漿ビリルビン値(mg / dL) <1.2 1.2-1.9 2.0-5.9 6.0-11.9 ≧12.0腎血漿クレアチニン値<1.2 1.2-1.9 2.0-3.4 3.5-4.9 ≧5.0尿量(mL / 日) <500 <200凝固血小板数(× 10 3 / μL) ≧150 <150 <100 <50 <20

-S 23-