p.16 抽出テキスト
4 複数回のパブリックコメント募集 CQ 立案時に両学会のホームページおよびMindsのホームページにおいて,さらに最終案策定時に両学会のホームページにおいて,計2 回原則記名式でパブリックコメントを求めた。最終案策定時では,パブリックコメント提出者からも利益相反の開示をお願いした。なお,広く意見を求めるために, m3.com,日経メディカルOnline,メディカルトリビューン,日本医事新報社の協力を得て,両学会のパブリックコメント募集のURL を紹介いただいた。 5 作業の透明化 各領域のメンバーは,公式のメーリングリスト(ML)を作成し,メンバー間の議論はできるだけML 上で行うこととした。コアメンバーとアカデミックガイドライン推進班は,すべての班のML にROM (read only member)として加わっている。これにより,各班でなされている議論を把握することが可能であり,議論の透明化を図るとともに,節目ごとに各班でなされた議論のサマリーを提出し,それぞれの作業過程,議論内容を収録する付録を作成した。 6 利益相反(COI)とメンバーの役割の開示 経済的COI と学術的(アカデミック)COI ならびに各メンバーの役割を巻末に開示した。経済的COIは,2017 年に日本医学会がまとめた診療ガイドライン策定参加資格基準ガイダンス 6)に従い,2017年から3 年分に適用して開示した。委員相互の学術的COI の干渉を避けるために,推奨草案に対しての委員の投票は匿名化して行った。 10.作成資金 本ガイドラインは,日本集中治療医学会と日本救急医学会の資金で作成した。作成にあたり,すべてのメンバーは一切の報酬を受けていない。推奨の作成にあたり,両学会ならびに協力を得たMinds の意向や利益は反映されていない。 11.ガイドライン普及の方策 利用者が利用しやすいように,ダイジェスト版の小冊子を作成する。また,スマートフォンやタブレットで閲覧できるアプリを作成する。また,世界に向けて両学会それぞれの英文機関誌に同時掲載する。両学会での活動の一環として,学術集会や各種セミナーなどにおいて本ガイドラインの普及活動に努めるとともに,普及状況並びに敗血症診療に関するモニタリング活動を行う。 12.改訂予定 本ガイドラインは4 年ごとの改訂を計画している。次回は2024 年に改訂予定である。それまでに内容を改訂すべき重要な知見が得られた場合は,部分改訂を行うことを検討する。 13 今回のガイドライン作成を通して目指した もう1 つの意義国際ガイドラインであるSSCG があり,4 年ごとに改訂がなされているなかで,本邦独自のガイドラインを作成する意義を問われることも多い。本邦独自の治療や文化に合わせたガイドラインの必要性は確かに重要であるが,本邦から発信されているエビデンスが少ない現状にあって,エビデンスに基づいて作れば作るほど,国際的なガイドラインと同様な内容になることは否めない。しかしながら,もう1 つの重要な意義は作成工程にあると考えている。臨床上の疑問の抽出やシステマティックレビューの作業などを通しての人材育成は,その大きな柱である。当初の狙い以上に,学会や施設の垣根を越えてメンバー間の有機的なネットワーク構築が進んだ。このネットワークを基盤として,ガイドラインを離れたところでも多施設研究や独自のシステマティックレビューを行い論文化するなどの動きが生まれ,今なお活発となってきている。また,臨床上の重要課題でありながらエビデンスの乏しい領域など,今後の多施設ランダム化比較試験の標的などが浮き彫りになってきた。また,集中治療医と救急医では扱う敗血症の背景が異なることも多いが,その点でも,両学会が協力して作成する意義は大きいと考える。本ガイドラインがマイルストーンとなり,救急・集中治療領域における本邦からのエビデンス発信のプラットフォームが形成されることを願ってやまない。 文 献 1) Rhodes A, Evans LE, Alhazzani W, et al: Surviving Sepsis Campaign: International Guidelines for Management of Sepsis and Septic Shock: 2016. Crit Care Med. 2017; 45: 486-552. 2) 日本集中治療医学会Sepsis Registry 委員会: 日本版敗血症診療ガイドライン The Japanese Guidelines for Management of Sepsis. 日集中医誌. 2013; 20: 124-73. 3) 西田修, 小倉裕司, 井上茂亮, 他, 日本版敗血症診療ガイドライン2016 作成特別委員会. 日本版敗血症診療ガイドライン2016. 日集中医誌. 2017; 24: S1-232. 4) 西田修, 小倉裕司, 井上茂亮, 他, 日本版敗血症診療ガイドライン2016 作成特別委員会. 日本版敗血症診療ガイドライン2016. 日救急医会誌. 2017; 28: S1-232. 5) 森實敏夫, 吉田雅博, 小島原典子編: 第1 章 診療ガイドライン総論. Minds 診療ガイドライン作成の手引き2014. 医学 -S 14-