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p.27 抽出テキスト

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小児における心肺蘇生時の FoCUS は,心停止または,無脈性電気活動の存在の特定の大きな助けとなるので,確認のツールには適している.したがって,小児の高度救命処置アルゴリズムにFoCUS を組み込むことは有用である.

心臓の前負荷や血管内容量は下大静脈を観察するが,成人のようにサイズを規定することはできないので,呼吸性変動が 50% あるかどうかで,ほぼ正常な右房圧であるかを推定する[89].しかし,陽圧呼吸管理中や呼吸努力が激しいときには,評価できない.血管内容量の輸液反応性は,心尖部5腔断面でパルス波ドプラのサンプルボリュームを左室流出路におき,速度時間積分を測定し,その呼吸性変動をみるのがよいとされる [89].15% の変動があると有意であるが,人工呼吸中であっても技術的には高度なので専門的な小児循環器心エコートレーニングが必要である.

視覚的な心左室収縮能の定性評価は,心機能がよいかどうかを,多断面(心尖部四腔断面,傍胸骨⻑軸および短軸断面)で判定するのは有用である.この場合もある程度のトレーニングが必要である.半定量的な左室収縮能評価で 左室駆出率や左室内径短縮率の測定が有用であるとのことである[89].しかし,本邦では小児の心エコー図検査で,循環器小児科医において推奨される2断面ディスク法による左室駆出率の測定は浸透してはいないので,簡易な左室内径短縮率を FoCUS 的に用いるのがよいだろう.右室/ 左室の詳細な心機能評価は小児循環器心エコー図検査の専門的トレーニングを受けた新生児科医,

小児集中治療科医,小児循環器医が施行するほうが望ましいと思われる.

小児,新生児領域での肺高血圧症に対する肺動脈収縮

9.3 内科病棟,当直

病棟内でのFoCUS は,突然胸痛などの症状を訴えた場合,さらに心膜穿刺・心膜液ドレナージなど侵襲的検査もしくは治療を受けた後の確認をする場合が想定される.

病棟内での急変時などもFoCUS を行う機会であるが,これは緊急時のエコーと同様であるため他項の記載に譲る.

症状発症の場合,まずは心膜液貯留の有無,左室壁運動の有無,新規の弁膜症の発生の有無,心室中隔穿孔など心内短絡の有無,左室流出路閉塞機転の有無などの確認が期待される.訴える症状や患者の状況に応じて,どのような疾患が発症したかを予想して臨むことが必要である.例えば,長期臥床患者が胸痛を訴えた場合は,虚血性心疾患を疑い左室壁運動だけを観察するのではなく,急性肺血栓塞栓症を疑い右心系の拡大および左心系の虚脱の有無を確認すべきであるし,さらに下肢深部静脈血栓症の有無が確認できればなお良い.

心筋生検やペースメーカリード留置後は,右室壁穿孔による心膜液貯留もしくは心タンポナーデが危惧されるためその兆候がないか確認する.

9.4 小児領域

成人を対象とするFoCUS の立ち位置と異なり,小児分野では,心原性救急疾患はそのほとんどが先天性心疾患であることから,臨床現場の小児のFoCUS は,限られた小児科医,小児・新生児救急医が行うべきPOCUSの一部と考えてよい.現状で,FoCUS は先天性心疾患の診断ツールではなく,先天性心疾患が疑われた場合には小児循環器医が包括的な心エコー図検査を施行する.欧州小児新生児集中治療学会(ESPNIC)の推奨レベルを表6 に示す[89].

表6.欧州小児新生児集中治療学会(ESPNIC)による心エコー図検査の推奨レベル[89]

推奨

1 先天性心疾患診断のスクリーニングとすべきではない

2 心臓の前負荷や血管内容量に対する評価

3 血管内容量の反応性に対する評価

4 心機能の定性的な評価

5 半定量的な心機能評価

6 肺高血圧症における肺動脈圧の評価

7 半定量的な肺高血圧の評価

8 心膜液貯留の評価

9 心嚢穿刺のガイド

10 動脈管開存の評価

11 感染性心内膜炎の評価強い推奨

強い推奨強い推奨強い推奨強い推奨強い推奨強い推奨強い推奨強い推奨強い推奨推奨せずA

D D D C B B B B A D

エビデンスの質推奨レベル