p.11 抽出テキスト
−11− 5.2 Advanced FoCUS Basic FoCUS に加えて,advanced FoCUS で推奨される評価項目を表2 に示す. について検討する. 3左室肥大 高血圧性心疾患,大動脈弁狭窄症のような後負荷が増大する疾患では左室は対称性(びまん性)に肥大する.心アミロイドーシスやファブリー病などの蓄積疾患でもびまん性に肥大することが多い.一方,心室中隔だけ肥厚するなど局所的な肥大を認めた場合(非対称性肥大)は肥大型心筋症を疑う. 目視による左室肥大の判定は,左室径との相対的な評価にならざるを得ない.左室壁厚は,12mm 以上を肥大ありと判定することが多い. 4左房拡大 左房の拡大は,傍胸骨左縁長軸断面においては右室流出路径,上行大動脈径との相対的な評価,また,同断面あるいは心尖部四腔断面で左室との相対的な評価で判断する.計測をするのであれば傍胸骨左縁長軸断面で収縮末期の左房前後径が45 mmを超えれば左房拡大と判断する. 左房拡大がある場合には拡張障害とそれによる慢性 している場合などを除けば,下腿浮腫を認めても心原性は否定的である. 若年者や心房細動例,重症三尖弁逆流においては溢水でなくとも下大静脈が拡大している場合がある. 1上行大動脈拡大 傍胸骨左縁長軸断面で評価する.上述のごとく,この断面では,正常の場合.右室流出路:上行大動脈:左房のそれぞれの径がほぼ等しいことから,上行大動脈径を右室流出路径,左房径と比べることで目視での評価ができる.計測を行うのであれば,40mm 以上を拡大とする. Basic FoCUS で心膜液貯留・心タンポナーデがあって上行大動脈拡大がある場合,大動脈解離がないかどうかを確かめ,必要に応じて造影CT 検査を施行する. 2左室局所壁運動異常 急性冠症候群(不安定狭心症,急性心筋梗塞)の診断には,左室局所壁運動異常の検出が非常に有用である. FoCUS の基本断面のみの観察では,特に下壁梗塞を見落とす可能性があり,傍胸骨アプローチであれば心基部レベルの短軸断面,心尖部アプローチであれば二腔断面や長軸断面も観察できるようになることが望ましい.局所壁運動異常があり,虚血性心疾患が疑われた際には,心電図や採血で急性虚血があるのかを判断する.急性虚血がある場合には心臓カテーテル検査,血行再建の適応 MR:僧帽弁逆流,MS: 僧帽弁狭窄,AS: 大動脈弁狭窄,AR: 大動脈弁逆流,TR: 三尖弁逆流,VSD:心室中隔欠損, ASD: 心房中隔欠損,EF: 左室駆出率 表2.Advanced FoCUSの評価項目(チェックシート) 左室局所壁運動異常 上行大動脈拡大 Advanced FoCUS の評価項目 □なし □あり :□前壁中隔~心尖部 □下側壁 □下壁 □なし □あり 左室肥大□なし □あり :□対称性 □非対称性 左房拡大 シャント 肉眼的左室駆出率□なし □あり □なし □あり :□VSD/ 心室中隔穿孔 □ASD % (10%刻みでEF を推定) 重症弁膜症 異常構造物□なし □あり :□MR □MS □AS □AR □TR □なし □あり :□血栓 □腫瘍 □疣腫