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p.47 抽出テキスト

院後も基礎的な運動能力に加え,バランス能力,日常生活により即した運動能力,ADL能力,1日の活動量といった観点から,総合的な運動能力を継続して評価する必要がある410).

2.2 患者教育,ケアギバー教育

在宅療養に向けて必要な知識や行動を習得してもらうために指導を行うものであり,病院内トレーニング,病院外トレーニングから構成される.ケアギバーは配偶者,親,子供など患者と同居するケアギバーがほとんどである.教育はVAD装着前から始め,手術後はケアギバーの社会的背景も考慮しつつ指導を受け入れられるように進める必要がある.植込型LVAD装着患者への支援は多岐にわたるため,医師,看護師,臨床工学技士,人工心臓管理技術士,レシピエント移植コーディネーター,VADコーディネーターをはじめ,薬剤師,理学療法士,栄養士など多職種による指導が望ましい(看護師および臨床工学技士は人工心臓管理技術認定士を取得している者,また人工心臓管理技術認定士,レシピエント移植コーディネーター, VADコーディネーターがいることが望ましい).

指導内容は,VAD機器管理,ドライブライン皮膚貫通部の管理(消毒方法と固定),トラブルシューティング,日常生活における自己管理(内服管理,栄養管理,リハビリテーション,体調管理,自己管理表等の記載方法),急変時の対応,災害時の対応,合併症などの異常の早期発見などである.自己管理表にはVAD機器についてだけでなく,血圧や体温,脈拍などの身体状況,抗凝固薬の内服量,皮膚貫通部の状態,リハビリテーション状況など在宅治療状態を記載できるようにすることが多い.

2.2.1 外出トレーニングの基準

医療従事者を伴わず,患者とケアギバーのみで過ごすことができるようにすることを目標とする.そのために,植込型LVADを装着しながら歩行するときの注意点,公共交通機関利用時の注意点を理解していること,バッテリ交換ができること,緊急時の対応を理解していること,植込型補助人工心臓管理施設に連絡することができ,患者の状況について説明できるようにする.

2.2.2 外泊トレーニングの基準

植込型LVADを装着して生活できるよう在宅環境が整った後に,医療従事者を伴わずに在宅療養する家に滞在し,院内トレーニングで実施した内容をすべて実際に行い,在宅療養においても日常生活するうえで支障がないか確認する.

植込型LVAD機器管理,バッテリ交換,バッテリの充電,皮膚貫通部の消毒・固定,シャワー浴,ワルファリン等の内服管理,体調管理,自己管理ノートの記載を実際に行う.

2.3 精神管理,リエゾンナース,多職種連携

植込型LVADは現段階においてBTTとして用いられるが,今後はDTが保険償還されると,これまで以上に患者数が増加することが予想される.植込型LVADは,患者のQOLが改善されるだけでなく,「家に帰ることができる」,「社会で暮らす」という大きなメリットがある反面,ケアギバーを必要とする202).長期化する心臓移植待機期間やDTにおいて,ケアギバーは仕事や交友関係等,社会とさまざまな調整が必要となる.さらに,植込型LVADの合併症によって,患者のみならずケアギバーのQOLを著しく低下させる可能性がある.そのため,植込型LVAD装着にあたっては,心臓移植,植込型LVAD治療,合併症など医学的なことだけでなく,植込型LVAD装着後の生活,医療費,経済面に対する情報提供,患者,ケアギバーはどう生きたいのか,ケアギバーは患者をどう支えるか等をふまえて,治療選択ができるように意思決定支援を行う.患者,ケアギバーが意思決定をしっかり行えるかによって,その後の精神管理に影響する.患者の心不全の病状によって,意思決定する時間が短く心の準備(決意と覚悟)ができないまま治療を選択することがあるため411, 412),植込型LVAD装着後に再度心構えができるように支援する.

植込型LVAD装着後,患者は全身状態の改善に伴い,精神状態も安定する413)が,患者,ケアギバーはさまざまな新たな不安がある201, 202).装着前の患者は「将来に対する不安」,「死に対する恐怖心」など病状に対する不安に加え,植込型LVADに対する不安(「機器管理ができるのだろうか」,「ドライブライン皮膚貫通部の悪化・感染」,「合併症」など)がある414).装着後は,在宅プログラムの機器管理,シャワー浴,自己消毒などの知識・技術の習得が思うようにできないことに対する焦りやジレンマを感じ,苛立ちや落胆する場合がある.また,植込型LVADを装着し,社会生活をすることに対して「奇異な目で見られないか」,「人(友人など)から避けられないか」などボディイメージの変化に対する不安,戸惑い,羞恥心を持つ.洋服,バッグ等工夫の提案,植込型LVADを装着している自分自身を受容できるように支援することが大切である415).退院後は,「機械のアラーム」,「ドライブライン皮膚貫通部の悪化」,「不整脈,胸部違和感,動悸感などの自覚症状」などの不安を訴える416).患者の不安は,病状や患者の社会的背景,