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いう報告もある. 血管弾性を評価するPWV より血管内皮由来NO の放出を誘発する反応性充血(reactive hyperemia)を用いた血流依存性血管拡張反応(FMD)のほうがより鋭敏に血管機能障害を検出すると考えられ,薬剤などの介入試験評価にも用いられている. 成人領域では,糖尿病,脂質異常症,高血圧,喫煙,加齢などの血管内皮細胞障害因子を伴うグループでは%FMD は有意に低下する.川崎病遠隔期においても%FMD が低下するといった報告が散見されており467),冠動脈正常症例と対照群の2 群間に有意差を認めず,CAL残存例のFMD は対照群に比較して低下傾向にあるとする報告が多い. 2.3 遠隔期症例における動脈硬化 CAL 残存例では血管の内皮機能障害ないし形態的障害をきたしている可能性は高く,その強度や範囲は急性炎症 後血管リモデリングの程度によると考えられる.現時点で遠隔期症例での粥状動脈硬化の存在ははっきり証明されておらず,エビデンスは多くない.したがって粥腫を伴わない動脈硬化性病変が主となり,時として石灰化を伴う狭窄性病変が将来の虚血性心イベントのリスクが増加する可能性がある. 一方で,川崎病類似血管炎モデル動物において高コレステロール食を負荷したところ,粥状動脈硬化の発症を確認したという報告がある468).これは川崎病遠隔期症例に脂質異常症などの他の動脈硬化危険因子が加わると,若年成人における動脈硬化の発症と進展が容易に起こり,いずれは粥状動脈硬化へとつながる可能性を一部示唆しているものと考えられる.動脈硬化促進因子の重複には注意を払うべきであり,少なくとも遠隔期症例に禁煙などの生活指導は必須である. まとめ 本ガイドラインのまとめとして,川崎病の重症度分類別にそれぞれの検査の頻度,治療,生活指導を表21 に整理して示した.川崎病の遠隔期を扱う医療者の参考になれば幸いである.一方,重症度が高くなるほどさまざまな障害が合併することが考えられ,症例に応じた個別の管理が専門医に求められる.本ガイドラインの示す方針は一般論であることを念頭に,個々の症例に最善と考えられる方策で 対処していってもらいたい.川崎病の遠隔期治療・管理はまだまだエビデンスレベルが低いものが多く,本ガイドラインでも強い推奨度を示すことができた治療は非常に限られている.今後エビデンスの蓄積が急務であることを強調しておきたい.