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p.58 抽出テキスト

療法を行い,それでも降圧が不十分なときに薬物治療を行うことが推奨される.

薬物治療は,心疾患を合併する高血圧の治療に準ずる.とくに,心機能障害を認める場合,早期よりACE 阻害薬を考慮する.

生活習慣の修正項目は,以下の通りである. 1 減塩: 6 g/日未満. 2 野菜・果物: 野菜・果物を積極的に摂取する.ただし,

重篤な腎障害を伴う患者では高カリウム血症をきたすリスクがあるので,積極的摂取は推奨しない.糖分の多い果物の過剰な摂取は,肥満者や糖尿病などのカロリー制限が必要な患者では勧められない. 3 脂質: コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える. 4 脂肪酸: 魚(魚油)の積極的な摂取や高純度エイコサペ

ンタエン酸(EPA)の服用. 5 減量: BMI <25 kg/m2(BMI は体重[kg]÷身長[m]

÷身長[m]で算出される). 6 運動: 有酸素運動(ウォーキング,速歩,水泳,エアロ

ビクスダンス,スロージョギング,サイクリング,ベンチステップ運動など)を中心に定期的(毎日30 分以上を目標に,少なくとも週に3 日は実施する)に行う.心機能障害がある場合は,適切な運動処方に基づく(第5章3. 2. 2 運動指導を参照のこと). 7 節酒: エタノール換算で男性は20 ~30 mL/日以下,女

性は10 ~20 mL/以下. 8 禁煙: 受動喫煙の防止も含む. b.脂質異常・ 日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン

2017 年版」163)に基づき,表20 のように脂質異常症を定義する.・ 冠動脈瘤などCAL がある場合,LDL コレステロール管理目標は,二次予防に準ずる.

・ リスク区分別脂質管理目標は,一般成人と同様に以下の

通りとする(表9).・ 冠動脈瘤を認める場合,スタチンや高純度EPA に加え,

必要があればエゼチミブやヒトプロ蛋白質転換酵素サブチリシン/ ケキシン9 型(PCSK9)阻害薬の適応も検討する. c.高血糖・ 日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2018-2019」

428)に準

拠する.・ 早朝空腹時血糖126 mg/dL 以上,75 g 経口糖負荷試験(OGTT)で2 時間値200 mg/dL 以上,随時血糖値200 mg/dL 以上,HbA1c(NGSP)が6.5% 以上のいずれかが満たされれば「糖尿病型」とする.・ 血糖コントロールの目標値を,合併症予防のための

目標値であるHbA1c(NGSP)<7.0% とし,できれば血糖正常化を目指す目標値であるHbA1c (NGSP)<6.0 におく.・ 治療は,DPP-4 阻害薬やビグアナイド薬,チアゾリ

ジン薬,スルホニル尿素(SU)薬,グリニド薬,α-グルコシダーゼ阻害薬など病態に合わせた経口血糖降下薬を適時選択する.なお,陳旧性心筋梗塞に伴う低心機能例に対してはSGLT2 阻害薬の使用も検討する. d.喫煙・ 喫煙は,喫煙病(依存症+喫煙関連疾患)という全

身疾患であり,すべての川崎病既往患者に対し受動喫煙も含めた禁煙が必要である.・ ニコチンを含む電子タバコや加熱式タバコの使用も

禁忌であり,通常のタバコ同様,禁煙の対象となる.・ 禁煙の指導ならびに治療方法に関しては,「禁煙ガ

表20 脂質異常症診断基準(空腹時採血) *

LDL コレステロール140 mg/dL 以上高LDL コレステロール血症

120~139 mg/dL境界域高コレステロール血症**

HDL コレステロール40 mg/dL 未満低HDL コレステロール血症トリグリセリド150 mg/dL 以上高トリグリセリド血症

Non-HDL コレステロール170 mg/dL 以上高non-HDL コレステロール血症

150~169 mg/dL境界域高non-HDL コレステロール血症**

* 10 時間以上の絶食を「空腹時」とする。ただし水やお茶などカロリーのない水分の摂取は可とする. ** スクリーニングで境界域高LDL-C 血症,境界域高non-HDL-C 血症を示した場合は,高リスク病態がないか検討し,治療の必要性を考慮する. • LDL-C はFriedewald 式(TC-HDL-C-TG/5)または直接法で求める. • TG が400 mg/dL や食後採血の場合はnon-HDL-C(TC-HDL-C)かLDL-C 直接法を使用する.ただしスクリーニング時に高TG 血症を伴わない場合はLDL-C との差が+30 mg/dL より小さくなる可能性を念頭においてリスクを評価する. (日本動脈硬化学会.2017 163)より)