p.51 抽出テキスト
a.管理指導 学校生活管理指導表は,巨大瘤(-)は「E 禁」,巨大瘤が残存する場合は,「D」または「E 禁」. 薬物治療の必要性について説明し,服薬を守るよう指導する.ワルファリンでINR を2~2.5 にコントロールしている場合は,生活面・運動面でも出血傾向の副作用に注意が必要である.また,虚血時の症状,対応についても指導する.運動制限については,検査による評価を行うことが必要である. 巨大瘤が残存している場合には,基本的には運動部活動に参加しないこととする.管理指導表は「D」とする.発症後1 年以降で変化がない場合には「E 禁」もありうる. 1.4.2 狭窄性病変(+),心筋虚血の所見(+)の症例 重症度分類V(b)群: 諸検査において明らかな虚血所見を有する症例. a.管理指導 運動制限が必要であり,状態により「D」以上の区分で判断する.運動部活動は「E 禁」とする.運動負荷検査の評価,心筋虚血の評価などにより,「A」~「D」区分の判断をする.服薬の重要性についても十分に指導する.カテーテル治療やバイパス手術を行った場合には,その結果により管理指導表の区分を変更してもよい. 1.4.3 心筋梗塞の既往がある場合 重症度分類V(b)群: 諸検査において明らかな虚血所見を有する症例. a.管理指導 生活,運動面の制限は必要である.状態により「A」~「E」区分とする.基本的には運動部活動は「禁」が望ましい.管理指導表の「A」~「E」区分の判断は心機能評価などを参考にする.生活面では,薬物治療による出血傾向などの副作用についても指導する. 1.4.4 長期の経過観察(a,b,c 含む) 学校生活終了まで定期的検査を実施する.さらに内科へ必ず引き継ぐ.検査間隔,検査内容は症例によって表7,表11を参考に小児循環器医が勘案する. 1.5 冠動脈以外の病変について 1.5.1 弁膜症 小児循環器の評価で,生活,運動面での制限の必要性について考慮する.心機能評価,手術適応評価が必要となる.心エコー検査で軽快したものは,「管理不要」としてよい. 1.5.2 不整脈 小児循環器科医の評価で,生活,運動面での制限の必要性について考慮する.心機能に問題がなく,心筋虚血の可能性がなければ,不整脈の管理指導基準358)に準じる.心機能,心筋虚血などに問題があれば総合的に判断する. 1.5.3 冠動脈以外の動脈瘤 部位・程度により,小児循環器科医が評価し,経過観察する. 1.5.4 心臓手術後について CABG,弁手術,心臓移植などの術後については,小児循環器科医による経過観察および管理指導が必要である. 1.5.5 予防接種について 移行抗体が影響するワクチンは,麻疹,風疹,おたふくかぜ,水痘とされている359).これらの生ワクチンは,流行がなければ,原則的にはIVIG 施行後6 ヵ月以降の実施が望ましい. 1.5.6 動脈硬化予防のための生活習慣について 将来的に動脈硬化の危険因子になるとの懸念もあり,生活習慣予防のために指導を行うことが望ましい.「川崎病急性期カード」(図6)を渡すときに指導することが望ましい. 1.6 循環器内科への引き継ぎ 心臓血管後遺症が残存している場合,成人期には循環器内科医に診療を依頼する必要がある.病状や薬剤服用の継続性の必要性について本人(あるいは家族)に十分に説明し,経過観察が途絶えないようにすることが重要である.診療離脱例(いわゆるドロップアウト症例)を作らないように細心の注意が必要である. 今後求められるエビデンス CAL をもつ小児が安全に学校生活を送るための,CAL重症度分類に基づくそれぞれの管理基準と長期予後.