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が発現される2, 274).冠動脈瘤を有する症例に対して,内膜の過増殖による狭窄性病変の出現を阻止する目的で,アンジオテンシンII 受容体拮抗薬(ARB)のカンデサルタン(0.2 ~0.3 mg/kg/日)を瘤出現後数日内から投与開始し,有効であったとの報告がある275). 今後エビデンスの確立が求められるもの 冠動脈瘤合併川崎病患者に対するスタチン,ARB/ACE阻害薬などの安全性ならびに冠動脈瘤退縮,心イベント予防などの有効性 1.3 抗血小板薬・抗凝固薬(表12) 【要旨】• 急性期の有熱時には中等量(30 ~50 mg/kg/ 日,分 3),解熱後には低用量(3 ~5 mg/kg/ 日,分1)のアスピリンを経口投与し,発症後2 ~3 ヵ月間継続する(推奨クラスI,エビデンスレベルC). • 冠動脈瘤が残存する症例には,低用量アスピリンの 経口投与を継続する(推奨クラスI,エビデンスレベルC). • 中等瘤,巨大瘤の症例に対し,クロピドグレル,チク ロピジン,ジピリダモールなどの抗血小板薬を低用量アスピリンに併用する(推奨クラスIIa,エビデンスレベルC). • 巨大瘤,急性心筋梗塞の既往,瘤内の血栓形成があ る症例に対し,ワルファリンを低用量アスピリンに併用し,INR 2.0 ~2.5 を目標に投与量を調整する(推奨クラスI,エビデンスレベルC). 1.3.1 抗血小板薬 川崎病急性期の血小板数は,発症直後には減少傾向を示 し(重症例ほど低値),回復期には増加する.血小板凝集能や血小板由来マイクロパーティクルの検討によれば,血小板数は第31 ~40 病日でおおむね正常化し,血小板の活性化は発症後2 ~3 ヵ月以上持続するので276, 277),全例にこの期間は抗血小板薬を投与し,冠動脈瘤が残存した例では血栓形成や虚血性心疾患の予防目的で抗血小板薬を継続する. a.アスピリン シクロオキゲシナーゼ-1 をアセチル化して阻害し,血小板凝集を促進するトロンボキサンA2 の産生を抑制することにより抗血小板作用を示す.成人の虚血性心疾患に対し 高いレベルのエビデンスがあり159, 278),小児でも心臓血管後遺症を含む川崎病に対する保険適用がある.アスピリンは急性期治療として確立された薬剤であり,川崎病と診断され発熱があれば,中等量(30 ~50 mg/kg/日,分3)の経口投与を開始する.解熱後は低用量とし(3 ~5 mg/kg/日,分1),冠動脈病変(CAL)がなくても発症2 ~3 ヵ月後まで,ある場合は退縮するまで内服を継続する. 添付文書上,過敏症の既往,消化性潰瘍,出血傾向,アスピリン喘息などは禁忌であるが,重篤な肝障害は禁忌でなく慎重投与である.Reye 症候群との関連性が示唆されているため,水痘・インフルエンザに罹患した際は中断する方が望ましい.アスピリン中止後も,シクロオキゲシナーゼ-1 の阻害は細胞寿命(8 ~10 日)の間は持続し,新たに産生された血小板が大勢を占めるまで薬効は数日以上続くことから278),通常は他の抗血小板薬に変更する必要はないと考えられる. b.ジピリダモール おもにホスホジエステラーゼの阻害を介するサイクリックアデノシン一リン酸(cAMP)濃度の上昇作用により,血小板抑制作用を示す.小児の川崎病CAL は,添付文書に記載されていないが保険償還の対象で,2 ~5 mg/kg/日を1 日3 回で分割経口投与する.成人の虚血性心疾患では,臨床効果が証明されていないため単独での使用は推奨されていない159, 278).正常な冠動脈が拡張し,狭窄した冠動脈の血流が悪化する盗血現象を起こす可能性があり,狭心症状の悪化に注意する. c.チクロピジン・クロピドグレル 抑制性G 蛋白質と共役するアデノシン二リン酸(ADP)受容体(P2Y12)の阻害によりアデニル酸シクラーゼの抑制を解除し,cAMP 濃度の増加により血小板抑制作用を示す.いずれも小児の保険適用はなく,経皮的冠動脈形成術(PTCA)を行う成人の虚血性心疾患に,クロピドグレルの保険適用がある.チクロピジンより副作用が少ないこと,アスピリンとの併用効果が実証されていることから,成人ではクロピドグレルを使用することが多い.小児では,チクロピジンは2 ~5 mg/kg/日,1 日2 ~3 回,クロピドグレルは0.2 ~1.0 mg/kg/日,1 日1 回を経口投与する. 0 ~24 ヵ月齢の乳幼児では,0.2 mg/kg/日で十分な効果が得られたという報告がある279).血栓性血小板減少性紫斑病,無顆粒球症,重篤な肝障害などの副作用が早期に出現する可能性があるため,開始後2 ヵ月間は2 週に1 回程度の血液検査を行う. d.その他 以下の抗血小板薬は,小児にも成人の虚血性心疾患にも