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部血腫や仮性動脈瘤などの血管損傷を生じやすいので注意を要する262).

4.2 左室造影による心機能検査

【要旨】• 非観血的検査により左室機能が評価できない患者に

左室造影を行う(推奨クラスIIa,エビデンスレベルC). • 左室収縮能の評価が必要な患者に,CAG とともに左

室造影を行う(推奨クラスIIa,エビデンスレベルC).

虚血性心疾患においてはCAL 枝数と左室機能は長期予後に影響する重要な要因である263).左心室内圧,心拍出量,左心室容積,駆出率などの測定により心機能を評価する.左室造影法は左室機能,とくに局所機能異常判定の標準治療であり,壁運動が残存していることは生存心筋の証明となる.

従来より,左室造影は左室収縮能評価法の標準的検査法として施行されてきた.しかし,近年の非侵襲的画像診断技術の進歩により,これらは左室造影以外でも可能となった.とくに心エコー法の目覚ましい進歩は,ベッドサイドで3 次元方向での局所収縮能のみならず局所拡張機能の評価も可能としており264, 265),単独での心機能評価を目的とした左室造影は行われない.一方,左室造影のメリットとしては,心エコー図検査と

異なり,ほとんどすべての患者で再現性の高い良好な画像を記録できることが挙げられる.左室造影による合併症の危険性が低いと予想される場合には,CAG に伴って左室造影を施行してもよいと思われる.不明瞭な心エコー画像しか得られない患者においては左室造影が有用である.

今後エビデンスの確立が求められるもの

• どこまで低年齢の患者で非侵襲的画像診断がCAG の

代替となりうるか. • どの程度の心臓血管後遺症を残した患者に,どのよう

な頻度で画像診断や心筋虚血評価を行うか. • 無症状の患者で,心エコー検査で冠動脈瘤内血栓を

疑う時の対応.

5 検査・診断のまとめ

川崎病遠隔期の検査法の推奨クラスとエビデンスレベルを表11 に,検査実施頻度の目安について表7 にまとめた.日本循環器学会の「慢性冠動脈疾患診断ガイドライン(2018 年改訂版)」246)およびAHA のステートメント2)も参照されたい.

第4章 治療

心臓血管後遺症のある川崎病患者では,症状の改善と心イベントの予防・治療を目標とした虚血性心疾患の管理が重要である.虚血性心疾患は,冠動脈の狭窄や閉塞により心筋が必要とする酸素が不足する状態(心筋虚血)で,狭心症と心筋梗塞に大別される.前者には安定狭心症(労作性狭心症および冠攣縮性狭心症)と不安定狭心症,後者には急性心筋梗塞と陳旧性心筋梗塞があり,不安定狭心症と急性心筋梗塞をまとめて急性冠症候群(ACS)と称する.成人のACS は,心電図所見に基づき,非ST 上昇型急性冠

動脈症候群159)とST 上昇型心筋梗塞(STEMI)に分類143)されているが,わが国では統一したガイドライン159)が作成されている.

川崎病の心筋虚血は,冠動脈瘤における血栓性閉塞と内膜肥厚による流入部・流出部の内腔狭窄によって生じ143),薬物療法や非薬物療法の対象となる.以下では薬物療法を,抗血小板薬・抗凝固薬,冠血管拡張薬・抗狭心症薬,血