p.26 抽出テキスト
基本検査の1 つである(推奨クラスI,エビデンスレベルC). • 心イベントリスク評価のための血管エコーを用いた血 管硬度評価は,CAL を有する症例でエビデンスが蓄積されている(推奨クラスIIa,エビデンスレベルB). • 心筋血流イメージングは,被曝と薬物負荷のリスクが あるものの,心筋虚血の検出力が高く,CAL のある症例で有用性が高い(推奨クラスI,エビデンスレベルB). • CTA は,被曝のリスクと心拍数コントロールの必要 性があるものの,短時間の撮影で冠動脈全体の形状が把握でき狭窄の検出率も上がっている(推奨クラスIIa,エビデンスレベルC). • MRI は,心拍数コントロールの必要性があり,撮影 時間が長く幼小児では鎮静の必要性があるものの,被曝がない利点がある.MRA では適切な撮影条件で冠動脈形態の観察が可能である(推奨クラスIIa,エビデンスレベルC). 3.1 胸部X 線写真 病理学的には第40 病日以降の瘢痕形成期に石灰化が認められるが184),胸部X 線で認められるのは罹患後1 ~6年とされている185).正面像と側面像で確認することが必要である.川崎病遠隔期フォローで紹介初診の際あるいは川崎病の既往が不明な患者のスクリーニング検査として意義があり,冠動脈に一致した球状の石灰化像を認めた場合,川崎病によるCAL が強く示唆され186, 187),さらなる画像検査による精査が必要である185, 188, 189). 3.2 心エコー法 3.2.1 安静時心エコー法 心エコー法は侵襲度が低く,繰り返して施行可能であるため,川崎病診療の基本である.冠動脈拡大の経時的評価88, 190, 191),瘤内血栓の有無の評価に有用である192).冠動脈の描出および計測法はFuse らの方法が提唱されている193).CAL の発生しやすい部位を把握してもれなく観察することが重要である(図4) 151).協力が得られる範囲で 仰臥位,左側臥位,右側臥位と体位を変えることも重要である. 冠動脈の拡大・瘤の診断に関して内径の正常値について,絶対径に加えてZ スコアが用いられる3).遠隔期におけるZ スコアを用いた評価の臨床的意義についてわが国でも報 告され,日米ともに,5 未満の小動脈瘤にくらべ,10 以上または実測値8 mm 以上の巨大瘤では不良であった152,153). 急性期に僧帽弁逆流症をしばしば合併し,その場合は心エコー法によるフォローが必要である.弁置換術に至った症例も報告されている194). 3.2.2 負荷心エコー法 運動負荷195),ドブタミン負荷196, 197),ジピリダモール負荷198)を行い,リアルタイムに左室壁運動を評価する.ドブタミン負荷を中心に負荷心エコー法は虚血性心疾患の診断法として確立された方法で,川崎病においても低侵襲な虚血診断法およびその経過観察法として有用とされている. 3.2.3 心イベントリスク指標としての血管エコー検査 成人の心イベントのサロゲートマーカーとしての血流依存性血管拡張反応(FMD),脈波伝播速度(PWV),頚動脈内膜-中膜肥厚(cIMT)の,川崎病遠隔期における意義について多くの報告がなされ199, 200),システマティックレビューがなされている156, 157).CAL を残した患者では血管硬度が障害されており,これら検査は意義があるとされている.一方,CAL を有しない患者では評価が分かれている. 3.3 核医学検査 川崎病後冠動脈狭窄性病変の診断法として負荷心筋単光子放出型コンピュータ断層撮影(SPECT)は重要であり,とくに十分な運動負荷が困難な幼児,低学年学童では薬物負荷が利用されている201–205).冠動脈に狭窄病変を認めずに心筋虚血が検出されることがあり,偽陽性が否定的であれば冠微小循環障害による心筋虚血が考えられる206).心電図同期収集法207)の導入で左室収縮能および拡張能や左室壁運動など心機能や208),心筋バイアビリティに関する検討が可能になった209, 210).ただし,心室容積50 mL以下の幼児では利用が難しい.また,心筋脂肪酸代謝イメージング(123I-BMIPP) 211),心筋交感神経機能イメージ ング(123I-MIBG) 212, 213),ポジトロン放出型断層撮影法 (PET) 133, 214, 215)が臨床応用されている.小児では被曝線量低減を考慮して,心筋SPECT では塩化タリウム(201Tl)ではなくテクネチウム心筋血流製剤(テクネチウム(Tc)-99m セスタミビ,テクネチウム(Tc)-99mテトロホスミン)が推奨される154, 216, 217).201Tl の再分布像は心イベントの予測201)やバイアビリティ評価218)に確立