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p.25 抽出テキスト

2 心電図

【要旨】• 安静時心電図は心臓血管後遺症を残す川崎病遠隔期

のフォローの基本検査のひとつである.前回心電図との比較により経過中の虚血イベントを検出できる(推奨クラスI,エビデンスレベルC). • 運動負荷心電図は,それ自体の感度は高くないが簡

便に行え,日常生活運動強度の設定に参考になる点で臨床的意義はあり,日常診療で有用である(CALのある症例:推奨クラスIIa,エビデンスレベルC.虚血イベントが疑われる症例:推奨クラスI,エビデンスレベルC).

2.1 安静時心電図

免疫グロブリン療法(IVIG)が確立する以前は,急性期に43 ~100% の頻度でPR 延長,深いQ 波,QT 延長,相対的低電位,ST 変化,T 波平坦化などの心電図異常を認めた171, 172).不整脈発生頻度は1 ~6% で,頻脈性不整脈や房室ブロック,脚ブロックであった173–175).現在では早期治療により頻度は減少しているが,心電図異常を認めた場合は遠隔期の経過観察が必要である.QT ディスパージョンについて冠動脈予後との相関が報告されている176–179).冠動脈瘤を残した症例では心筋梗塞発症時に梗

塞部位に一致した異常Q 波,ST-T 変化を認めるので, CAL を残した患者の定期フォローには有用である.

2.2 Holter 心電図

急性期に不整脈を認めた場合や胸痛,動悸などを訴える場合は施行する意義がある.また,運動負荷ができない乳幼児に実施できる長所がある.不整脈,ST-T 変化や異常Q 波の出現を検討する.

2.3 運動負荷心電図

運動負荷心電図は,簡便かつ比較的安全に行える点で小児において臨床的意義は十分にある.安静時心電図を確認し,心筋虚血を示唆する所見がある場合は実施を慎重に判断する.幼児では,任意のテンポでジャンプさせる簡易運動負荷心電図が報告されている180).年長幼児ではダブルマスター(3 分間)が可能だが,小児は運動耐用能が高いので十分な負荷にならないことがある.小学校低学年ではトレッドミル試験とエルゴメーター試験がおおむね実施可能である.冠動脈瘤を伴う川崎病患者の心筋虚血の検出では,運動負荷心電図の感度はかならずしも良好ではなく181, 182),画像検査との併用が望まれる2).

2.4 その他の心電図検査

薬剤負荷体表面電位図,心磁図,平均加算心電図が過去に研究されているが,いずれも現在の日常診療では汎用されていない.

まれに,川崎病後に危険な心室性不整脈を呈する例がある.川崎病心臓血管後遺症患者の電気生理学的検査では,洞機能および房室結節機能の異常が有意に多く発生しているが,かならずしも冠動脈狭窄や閉塞例に一致しておらず,心筋炎や刺激伝導系への微小循環の異常が関与すると推察される183).

3 画像診断

【要旨】• 心エコー法は侵襲の少ない検査で,冠動脈形態と左

室壁運動の観察に有用であり,遠隔期川崎病診療の

表10 小児メタボリック症候群(6~15 歳)の診断基準

下記の1 があり,2~4 のうち2 項目を有する場合にはメタボリック症候群と診断する. 1.腹囲80 cm 以上* 2.血清脂質

中性脂肪かつ/ またはHDL コレステロール120 mg/dL 以上

40 mg/dL 未満

3.血圧

収縮期血圧かつ/ または拡張期血圧125 mgHg 以上

70 mgHg 以上

4.空腹時血糖100 mg/dL 以上*腹囲/ 身長が0.5 以上であれば項目1 に該当するとする小学生では,腹囲75 cm 以上で項目1 に該当するとする(大関武彦ほか.2008

170)より)