GL検索 v0.1.0
画像は 24 ページを描画したものです
page 24

p.24 抽出テキスト

値を診断基準から除外している. b.LDL-C

粥状動脈硬化には酸化LDL が深く関与する.成人の血清LDL-C 値では,120 mg/dL 未満は正常域,120 ~139 mg/dL は境界域,140 mg/dL 以上は異常である163). c.HDL-C

血清HDL-C は,コレステロール逆輸送系において末梢の過剰なコレステロールを肝へ輸送し,抗動脈硬化作用を有する.HDL の質的・量的異常は動脈硬化防御機構が有効に機能していないことを示す.成人の血清HDL-C は40 mg/dL 以上を正常,40 mg/dL 未満を低HDL-C 血症とする.脂質異常症の管理基準が日本動脈硬化学会から出されている163).

小児期の脂質異常症の判定基準には,米国の調査結果があるが,わが国の実情に合うか不明である.1993 ~99 年に19 都府県の9 ~16 歳を対象としたわが国の小児の脂質異常症の基準を表9 に示す163, 164).急性期の血清HDL-C低下は以前から知られているが165),冠動脈障害例の遠隔期にも低下が指摘される166). d.TG

高トリグリセリド血症では動脈硬化危険因子を生じやすく,動脈硬化を促進すると考えられている.成人では血清TG が150 mg/dL 以上を高TG 血症としている163). e.川崎病遠隔期患者における脂質異常症

川崎病罹患後7 ~20 年における各種の動脈硬化指標を対照群と比較したところ,川崎病既往者ではTC とアポリポ蛋白B が高値であり,軽度の差であるが将来的な動脈硬化進展性に注意を要するとされる167).

日本人成人における脂質異常症のリスク区分別脂質管理目標値を表9 に示す163).成人に達した川崎病罹患者は,これらの基準に達する可能性を低下させる生活管理を心がける.

1.2.2 ホモシステイン

高ホモシステイン血症は脳梗塞,心筋梗塞などの動脈硬化性疾患の独立した危険因子である168).血漿ホモシステインの基準値は男性で8.2 ~16.9μmol/L,女性で6.4 ~ 12.2μmol/L で,閉経後に上昇する169).

1.2.3 小児のメタボリック症候群の診断基準

わが国における小児のメタボリック症候群の診断基準は,厚生労働省の生活習慣病対策総合事業として,表10 に示す内容で2006 年にまとめられた170).

表8 小児(小中学生)の脂質異常症の基準(空腹時採血)

総コレステロール(TC) 220 mg/dL 以上LDL コレステロール(LDL-C) 140 mg/dL 以上トリグリセリド(TG) 140 mg/dL 以上HDL コレステロール(HDL-C) 40 mg/dL 未満Okada T, et al. Pediatr Int 2002; 44: 596-601. に基づき,TC,LDL-C,TG は95 パーセンタイル値,HDL-C は5 パーセンタイル値から設定されている. (日本動脈硬化学会.2017 163)より)

表9 脂質異常症のリスク区分別脂質管理目標値

治療方針の原則管理区分脂質管理目標値(mg/dL)

LDL-C Non-HDL-C TG HDL-C

一次予防まず生活習慣の改善を行った後薬物療法の適応を考慮する低リスク<160 <190 <150 ≧40

中リスク<140 <170高リスク<120 <150

二次予防生活習慣の是正とともに薬物治療を考慮する冠動脈疾患の既往<100 (<70) * <130 (<100) * * 家族性高コレステロール血症,急性冠症候群の時に考慮する.糖尿病でも他の高リスク病態を合併する時はこれに準ずる. • 一次予防における管理目標達成の手段は非薬物療法が基本であるが,低リスクにおいてもLDL-C が180 mg/dL 以上の場合は薬物治療を考慮するとともに,家族性高コレステロール血症の可能性を念頭においておくこと. • まずLDL-C の管理目標値を達成し,その後non-HDL-C の達成を目指す. • これらの値はあくまでも到達努力目標値であり,一次予防(低・中リスク)においてはLDL-C 低下率20~30%,二次予防においてはLDL-C 低下率50% 以上も目標値となり得る. • 高齢者(75 歳以上)については文献163)第7 章を参照. (日本動脈硬化学会.2017

163)より)