p.22 抽出テキスト
表7 川崎病遠隔期における重症度分類別の検査頻度 重症度分類心電図*,心エコー心筋虚血評価(負荷テスト)冠動脈画像検査(CT,MRI,CAG) I拡大性変化なし経過観察の目安は,発症後1ヵ月,2ヵ月,6ヵ月, 1 年後,および発症後5年後とする. 5 年以降は経過観察終了も可能 必要なし必要なしII急性期の一過性拡大 III退縮(Regression) (急性期) 小瘤1 年ごと必要なし回復期と1 年後あるいは退縮時に考慮高校卒業時に行うことが望ましい(急性期) 中等瘤・巨大瘤6~12ヵ月ごと3~5 年ごとに考慮回復期と1 年後,3~5 年ごとに考慮 IV冠動脈瘤の残存小瘤1 年ごと3~5 年ごとに考慮回復期と1 年後,3~5 年ごとに考慮 中等瘤6~12ヵ月ごと2~5 年ごとに考慮回復期と1 年後,2~5 年ごとに考慮巨大瘤6~12ヵ月ごと1~5 年ごとに考慮回復期と1 年後,1~5 年ごとに考慮 V冠動脈狭窄性病変a)虚血所見なし6~12ヵ月ごと1 年ごとに考慮回復期,~1 年,1~5 年ごとに考慮 b)虚血所見あり経過により考慮経過により考慮経過により考慮 *必要に応じ負荷心電図を行う 心電図検査や心筋血流イメージング,心エコー法,心筋MRI では運動や薬剤負荷検査があり,心筋虚血の検出率は安静時検査に比していずれも高い.これらは治療方針や生活強度・運動制限の決定に有用である. 安全性については,1 点目は小児の放射線被曝についてのガイドラインが策定されている154).小児は放射線感受性が高く,心臓カテーテル検査,心筋血流イメージング,冠動脈CT 造影検査では,被曝放射線量の総量を考えた検査計画が提言されている.冠動脈CT 造影検査では,画質を保ちつつ被曝線量低減の努力がなされている.2 点目は,とくにMRI 検査で年少児に行う場合は鎮静時の有害事象を減らす努力が必要で,適切な鎮静プロトコールと呼吸循環モニターの必要性が提言されている155). 川崎病罹患者の成人期心イベントリスクの評価として,血管の硬度に関するエビデンスが蓄積されている.メタ解析では,CAL を遺した患者はコントロールに比して血管の硬度の低下が示されている156, 157).一方,CAL を遺していない罹患者では一定の結論に至っていない. 1 血液検査・バイオマーカー・ 動脈硬化の診断 【要旨】• 川崎病遠隔期患者における心筋虚血,心筋梗塞の血 液検査,バイオマーカーに関するエビデンスは確立されていない. • 川崎病遠隔期患者において動脈硬化を予測しうる血 液検査やバイオマーカーについては,エビデンスが確立されていない. • 川崎病遠隔期患者における動脈硬化と脂質異常の関 連性については,エビデンスが確立されていない.