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灰化の出現は必発とされる147).動脈壁の石灰化は中膜の平滑筋細胞が化骨細胞に誘導されて起こると考えられているが148),なぜ川崎病では強い石灰化が起こるのかはまだ解明されていない. 3.2 心臓血管後遺症を認めなかった 症例について 最近では川崎病罹患児の約98% 149),免疫グロブリン療法(IVIG)が一般的でなかった世代では80 ~85% は心臓血管後遺症なしと判断され,本ガイドラインでも5 年間の経過観察にて経過観察終了としてもよいことになっている.急性期に心臓血管後遺症なしと判断された症例が,長期的に冠動脈疾患に罹患するリスクが高いか否か,結論は いまだ出ていない.しかしながら,これまでの報告では冠動脈イベントリスクが増加するという報告はないことから,急性期にCAL を生じなかった川崎病症例についての長期予後は正常者と変わらないものと考えられる. 今後エビデンスが求められるもの • 急性期に心臓血管後遺症なしと判断された症例にお いて,将来的に冠動脈疾患に罹患するリスク. • 冠動脈瘤径のみならず冠動脈瘤形態による心イベン トリスクの評価. • 川崎病遠隔期における冠動脈石灰化の機序. 第3章 検査・診断 心臓血管後遺症の検査,診断には,血中バイオマーカー,心電図,心エコー法,心臓カテーテル冠動脈造影,心筋血流イメージング,コンピュータ断層血管造影(CTA),磁気共鳴像(MRI)が汎用されている.また,心電図,心エコー法,心筋血流イメージングでは,運動や薬剤負荷検査が行われ,安静時のみの検査とくらべて臨床的意義が高い.表7 に重症度による各検査頻度をまとめている. まず,急性期に冠動脈病変(CAL)を遺さなかった患者のフォローについて,生活,運動面での制限はしない.経過観察の目安は,発症後1 ヵ月,2 ヵ月,6 ヵ月,1 年後,および発症後5 年後を目安とする(発症1 年後から年1 回経過観察を行っている施設も多い).学校生活管理指導表は原則「E 可」として,発症後5 年以上経過していれば「管理不要」としてよい.「管理不要」とする時点で「川崎病急性期カード」(図6 第5 章50 ページ参照)にフォロー終了の旨を追記するか,あるいはあらたに作成して患児と保護者に渡し,生活習慣病予防についてのアドバイスを行うことが望ましい.その後の管理については,保護者(または本人)との協議による. 川崎病の冠動脈瘤およびそれに続発する狭窄性病変を有する患者は,小児期だけでなく成人期に移行している.虚血性心疾患や突然死を発症する例もあり,内科医とくに循 環器内科医との連携も重要となってきている. 心電図と心エコー法は安静時検査を基本とし,これらは日常診療の基本でもある.負荷検査も適宜併用する.急性期の実測値4 mm 以下の症例では,内中膜肥厚はないか軽微で狭窄性病変はまれと考えられる150).一方,急性期6 mm 以上の瘤では(とくに体表面積0.5 m2 未満の年少児),冠動脈狭窄のリスクが高いと指摘されている4, 89, 151).近年,標準値をもとに冠動脈径を体表面積で補正した冠動脈Zスコアを用いてCAL の評価を行うことが一般化されつつある.Z スコアに基づく最近の研究によれば,5 未満の小動脈瘤に比べ,10 以上または実測値8 mm 以上の巨大瘤では退縮率,冠動脈イベント発生率.主要心イベント発生率は不良であった152, 153). 心臓カテーテル検査は,冠動脈造影(CAG)のほか,血流予備量比(FFR)の計測,血管内エコー法(IVUS)や光干渉断層法(OCT)も行うことが可能だが侵襲を伴う.とくに年長児では,心筋血流イメージング,CTA,MRI,磁気共鳴血管造影(MRA)などが普及し,治療の必要性がなければ心臓カテーテル検査の適応は限定されつつある.