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また,SRTとは別に位置づけられ,古くから行われてきたDDDペーシング療法も侵襲的治療の1 つではあるが,現在では,何らかの理由でSRTの適応とならない薬物療法抵抗性の症候性閉塞性肥大型心筋症に施行されるか,左室流出路圧較差軽減目的以外でペースメーカー植込みを必要とする場合,突然死の一次あるいは二次予防の目的で左室収縮能が保たれた閉塞性肥大型心筋症にICDを植え込んだ場合,DDDペーシングの効果を確認し,効果が確認できれば施行するというのが現状である. a. 中隔縮小治療(SRT)の適応6, 7, 331)(表32) SRTの適応症例は,次の3点すべてが揃うことが必要である.1)左室内に有意な圧較差を伴う肥大型心筋症であること(左室流出路および左室中部閉塞を伴う肥大型心筋症),かつ2)薬物療法抵抗性であること,かつ3)症候性であることである. b. 治療法の選択i. 中隔心筋切除術か,PTSMAか? まず,中隔心筋切除術の適応を考える.開胸にて同時に修復できる併存心疾患がある場合は,中隔心筋切除術を選択する.実際には収縮期前方運動によるものではない重症僧帽弁閉鎖不全症が最も頻度の多い併存疾患であろう.以下に中隔心筋切除術を積極的に考慮すべき症例を記す. 1 外科治療を要する左室流出路または僧帽弁腱索複合体の構造的異常を有する症例 2 外科治療を要する器質的大動脈弁または僧帽弁疾患を 合併している症例 3 上記1,2 を除く閉塞性肥大型心筋症でとくに若年・青 壮年の症例 4 閉塞を生じる心室中隔局所の壁厚が30 mm 以上の閉塞 性肥大型心筋症の症例 5 PTSMA による中隔縮小効果が不十分な症例 僧帽弁腱索複合体の構造的異常の有無につき確認することは,SRTを実施するうえで非常に重要な点であり,さまざまな画像モダリティを用いて確認する332).また,冠動脈の解剖上,PTSMAに不向きな症例は中隔心筋切除術が選択される.中隔心筋切除術か,PTSMAかの選択は,肥大型心筋症の治療に精通した循環器内科医,心臓外科医他の多職種からなるハートチームにより議論したうえで行われることが望ましい.また,SRTは,合併症率が低率と予想される治療経験のある施設で行われることが望ましい333). ii. 外科的中隔心筋切除術 心筋切除の基本術式は,Morrowによる経大動脈弁アプローチである334, 335).僧帽弁前尖への異常腱索の付着,僧帽弁前尖への癒合した前乳頭筋頭直接付着,僧帽弁前尖から中隔への異常線維連続がある場合は,心筋切開に工夫 表31 閉塞性肥大型心筋症の圧較差軽減のための治療薬の推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベルMinds 推奨グレードMinds エビデンス 分類 非血管拡張性β遮断薬の安静時および誘発性左室流出路閉塞に伴う症状の改善を目的とした投与および忍容性のあるなかでできるだけ増量I B B IVa非血管拡張性β遮断薬を使用できない安静時および誘発性左室流出路閉塞に伴う症状の改善を目的としたべラパミルの投与および忍容性のあるなかでできるだけ増量I B B IVa非血管拡張性β遮断薬あるいはべラパミルに加えてシベンゾリンおよびジソピラミドの安静時および誘発性左室流出路閉塞に伴う症状の改善を目的とした投与および忍容性のあるなかでできるだけ増量I B B IVa低血圧および肺水腫を伴う重症誘発性左室流出路閉塞に対する経口および静注非血管拡張性β遮断薬と血管収縮薬の投与IIa C C1 V無症候の安静時および誘発性左室流出路閉塞の圧較差減少を目的とした非血管拡張性β遮断薬あるいはべラパミルの投与IIb C C1 V症候性の安静時および誘発性左室流出路閉塞を伴う労作時息切れ改善目的の低用量のループあるいはサイアザイド利尿薬の投与IIb C C1 V非血管拡張性β遮断薬およびべラパミルを使用できない安静時および誘発性左室流出路閉塞に伴う症状の改善を目的としたジルチアゼムの投与および忍容性のあるなかでできるだけ増量IIb C C1 V左室流出路閉塞を有する患者における血管拡張作用のある薬剤や陽性変力作用を有する薬剤(ジギタリスなど) III C C2 V