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p.46 抽出テキスト

c. Naチャネル阻害薬(Ia群抗不整脈薬)

Naチャネル阻害薬(Ia群抗不整脈薬)は,強い陰性変力作用を有し左室内圧較差を軽減する効果を有する.海外ではジソピラミドが,わが国では濱田らにより報告された327, 328)シベンゾリンが使用されることが多い.β遮断薬は,安静時よりも運動時の左室内圧較差を軽減する効果が強いが,ジソピラミドおよびシベンゾリンは運動時だけでなく安静時の圧較差を減少する効果も強い.そのため,β遮断薬およびカルシウム拮抗薬よりも強い自覚症状軽減効果を有する.また,ジソピラミドは長期予後改善効果が報告されている329, 330).有効性が実証されているが,その処方率は必ずしも高くはない.その理由として,副作用としての抗コリン作用(口渇,便秘および排尿障害など)およびQT延長がある.シベンゾリンについては,長期投与による持続的左室内圧較差軽減効果が得られると報告されている327, 328).ジソピラミドおよびシベンゾリン開始前にはかならず心電図を施行し,補正QT間隔(Qtc)を確認する.

処方にあたっては,QTc延長をきたす他の内服薬との併用,脱水および電解質異常をきたす状況を避けるように厳重に注意する必要がある.

ジソピラミドおよびシベンゾリンの血中濃度のモニタリングは,管理上きわめて重要である.シベンゾリンは,ジソピラミドよりも抗コリン作用が少ないことからわが国では頻用されているが,低血糖には注意が必要である.

6.3.2 非薬物治療

現在では,外科的中隔心筋切除術と経皮的中隔心筋焼灼術(PTSMA/alcohol septal ablation; ASA)が症候性かつ薬剤抵抗性HOCMに対する非薬物治療として位置づけられ,両者を総称して2011年ACCF/AHAガイドライン6)あるいは2014年ESCガイドライン7)では,中隔縮小治療(SRT)と呼んでいる.

表30 肥大型心筋症における突然死予防の推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベルMinds

推奨グレードMinds

エビデンス

分類

競技スポーツを避けるI C B IVa過去に心室細動・心室頻拍による心停止の既往あるいは持続性心室頻拍の既往を有する場合のICD 植込みI B A IVa以下の主要リスク因子のいずれかを有する場合のICD 植込み主要リスク因子:6ヵ月以内の心原性あるいは原因不明の失神,左室壁厚30mm 以上の著明な肥大,2014 ESC ガイドライン計算式にてハイリスクIIa C B IVa以下の主要リスク因子を複数有する場合のICD 植込み主要リスク因子:突然死の家族歴,非持続性心室頻拍,運動時の血圧反応異常IIa C B IVa以下の主要リスク因子を1 つのみ有しておりかつ修飾因子を有する場合のICD 植込み主要リスク因子:突然死の家族歴,非持続性心室頻拍,運動時の血圧反応異常修飾因子:左室流出路閉塞,CMR で広範囲なガドリニウム遅延造影,拡張相肥大型心筋症,心室瘤IIa C B IVa以下の主要リスク因子を1 つのみ有しておりかつ修飾因子を有さない場合のICD 植込み主要リスク因子:突然死の家族歴,非持続性心室頻拍,運動時の血圧反応異常修飾因子:左室流出路閉塞,CMR で広範囲なガドリニウム遅延造影,拡張相肥大型心筋症,心室瘤IIb C C1 IVa主要リスク因子を有さず修飾因子のみ有する場合のICD 植込み修飾因子:左室流出路閉塞,CMR で広範囲なガドリニウム遅延造影,拡張相肥大型心筋症,心室瘤IIb C C1 IVa

突然死の主要リスク因子や修飾因子を有さない場合のルーチン治療としてのICD 植込みIII C D IVa突然死のリスク評価を初診時および定期的(1~2 年ごと)にあるいは症状が変化した際に行うI B B IVa ICD 植込み患者における心室性不整脈によるICD 作動軽減目的としてのβ遮断薬あるいはアミオダロンの使用I C B IVa